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私は街にやってきた。
月曜日の台北で、両替も済まして台湾元をやっと手に入れた。手持ちの台湾元が無かった時には、色々と工夫してお金を使わないのが楽しかったのに、不自由から解放されると何故かつまらない。ここには、夜更けまでやっているビアプレイスもあるし、おいしいモノを食べようと思えばいくらでもある。でも、なんだか寂しく、物足りない気持ちが募っていた。美しいけれど、いつもどこか気を抜けない上海。優しい人々に触れて、でも食堂は食事の時間にしか開いてなくて、モノも無い離島を経て、やっと、なんでも手に入るし安心できる大都市にたどり着いたのに、曇り空のように悲しい気分。町中が原宿みたいな台北には、人はたくさんいるのに、逆に孤独な気持ちになってしまって、ホテルの部屋でぼんやり過ごしていた。追い打ちをかけるように、台北の天気予報はこの先一週間雨だった。早く友達が来てくれるといいのに。
深夜の西門で飲んでいたときに、隣に座った中国人のグループと仲良くなった。彼らと深夜三時まで一緒に飲んで、私が飲んだビール代まで全部奢ってもらった。そのうちのひとりの女のコと意気投合して、水曜日にクラブに遊びにゆくことになった。
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