11/17
私は家に帰った。
ツアーバスでの一晩は、隣の大きな外国人に邪魔されて眠れなかったけど、深夜のパーキングエリアの静謐な感じとか、綺麗な日の出がカーテンの隙間から見えたりしていい体験だった。6時過ぎ、新宿西口に到着。大勢の無表情な日本のサラリーマンとすれ違い、東京を実感する。東京の人々は表情が特徴的で、極端に言うと表情が無くて怖い。
つつじヶ丘の駅で各駅停車を待ちながら朝日を見た。寒かったけれど、雲一つない晴れ。久しぶりに見た青空だった。狭い私の部屋は、三週間空けた割には何も変わらずそこにあって、少し空家みたいな饐えた匂いがした。コンビニで買ったアルミ鍋の鍋焼きうどんを食べたけど、まさに日本の味。
帰国早々だけれど、ハローワークに失業保険関連の手続きがあり、府中へ。道すがら、抜けるような青空を見ながら、昨日までの日々がどうも幻のような、現実感の無い日々だったような考えが浮かんでしまい、暫く悩まされた。ずっと微熱にうなされているような旅だったと思う。上海に昔の自分を探した数日間。上海を離れるのは悲しかった。離島の美しさには驚き、台湾ではまるで子供みたいに無心に遊んだ。少し、刺激の強い旅だったのかもしれない。でも、かけがえのない思い出がたくさんできた。いつか読み返す時のためにこうして記録しておいたけれど、これらの情報がほかの旅行者の参考になることがあるなら嬉しいと思う。
終
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