ウズベキスタンのオフィシャル言語は、独立以来ラテン文字表記のウズベク語ということになっている。でも実情はもう少し複雑。私の職場のオフィシャル言語はロシア語になっていて、プレゼンとか会議では主にロシア語が使われている。私のチームは、ウズベクとロシア人の混成チームなので、部屋の中ではウズベク語とロシア語が並行して使われている。
日本で言われている(私が聞いていた)ように、ロシア人や韓国人はロシア語しか話さないというのではなくて、私の職場のロシア人はウズベク人コミュニティで育ったせいか、ウズベク人と変わらないウズベク語を話せるし、ウズベク人とはウズベク語でコミュニケーションをとるような人だ。私にも英語かウズベク語で話してくれる。もう一人のロシア語話者の若者も、ウズベク語を理解してくれる。
ウズベク民族ならウズベク語、それ以外ならロシア語という画一的な話し分けがある訳でもなく、私の知っているウズベク人女性は家庭でもロシア語で育てられたし、ロシア語で高等教育を受けているので、ロシア語のほうが仕事がし易いと明言している。職場のチーフも恐らくそんな感じ。また、ステイ先で遊んでた5歳の男の子も、ロシア語幼稚園に行っているので、ロシア語のほうが得意。
現状のタシケントに、三ヶ月滞在して仕事も開始した私には、オフィシャルにはロシア語、ウズベクの仲間内ならウズベク語という風に見えている。それが10年先くらいに、独立後に生まれた世代が中心となって働く時代になったときに、また状況が変わっているのだろうと思う。この国に来て、いろいろなことを見るにつけ、ゼロかイチかではなく、その間のグレーゾーンに属する事象、人、文化なんだなぁと度々感心する。
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