タシケントで会社や国の機関に勤めるような人はたいてい、プラスチカという電子マネーカードを持って
いる。電子マネーなんてハイカラなもののわりには、一見すごい普及率なのだが、じつのところ、給与の半額がカードにチャージという形で支払われているから、強制だ。
プラスチカは、タシケント市内だと乗り物、多くの商店、スーパー、レストラン等で利用できるので便利だが、バザールや個人商店や、小さなコンビニでは使うことができない。
当然、キャッシュじゃなくてバリューなので、現金化したり外貨に交換したりすることもできない。たんす貯金も難しいだろう。やはり、けっこう不便なものらしく、街中でお金を使おうとすると、「カードで俺がかわりに払っておくから、現金を俺にくれ」という申し出をされることも多い。
知らない人に「カードで払ってあげる」と言われるのは不審なので、多くの国ではそのような行為は歓迎されないと思うが、タシケントではけっこうある話だ。
また、ご飯を誰かと一緒に食べに行くときに、誰か一人がカードで払って、払った彼に現金で自分の分を払うということもよくある。そういうときは、間違えられないように、自分が幾ら分食べたのか会計の際にきちんとチェックしにゆく。
電子マネーというのは、現金だけを使う社会から一歩進んだ、便利な方向への進化で、使う使わないは各人の自由のはずなのだが、どうもそうじゃなくて、管理するため、または何かを制限するために応用されているような気がしてしまう。
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