まさか中央アジアに来て、大学生の試験の試験官をするとは思いませんでした。
「エンジニアとして来ウしたのに、全然関係ない仕事してる(泣」
みたいな泣き言は、もうこの一年散々言ったので、めぐりくる専門外の仕事を楽しまないといけないと思います。
日本の会社では、自分の専門分野の仕事をしているだけでよかったけれど、ウズベキスタンでは、今いるメンバーが全部やらないといけない。だからみんながマルチプレイヤー。試験官をすることになったのも、別に正式な依頼があったわけじゃなくて、
私の部屋が試験会場になったから
当然私が試験官になったというわけです。やってくる仕事を楽しもう!
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前置きが長くなりました。そういうわけで、試験が開始したのですが、しょっぱなからトラブル。
ある男の子が、部屋に入って自分のPCの前に座ったとたん、試験プログラムを開始してしまった。
この試験はPCのプログラムを使って各自進めるわけだけど、いちおう開始時間は決まっていて、試験官の説明の後に一斉に始められるルールになっている。でも彼は、部屋に入って所定の位置についてすぐに「開始」ボタンを押してしまったのです。
すぐに隣のモニタールームにいたチーフが怒鳴り込んできて、彼を追い出してしまいました。彼は必死に言い訳をするが、あとのまつり。
その男の子は前の日に試験概要を把握するためのトレーニングにもきちんときていて、とても熱心でまじめな子だと見受けられたのだけれど、たぶんその熱心さがアダになり、前のめりに。だから座ったとたんに「開始」のボタンを押してしまったのだと、私は思った。
悲壮な顔で彼が、準カンニング扱いみたいに追い出されるのは遣る瀬無かったが、そこはルールだからしょうがない。
部屋に入ったら合図があるまでPCには触らないでください、とか、開始の合図があるまでテストをはじめないでください、というルールが明文化されている日本とは違って、どこにも明文化されていないのだから、そこはわれわれ主催者側の改善の余地がある。
でも、試験会場に入って開始時間前に試験を開始してはいけないことくらい、日本人だと誰でも知ってるはず。だけど、先走ってはじめてしまうというのは、こちらの教育に問題もあると思った。
加えて、じつは彼のほかにも2人の女の子が"誤って"試験を開始してしまっていて、その2人は私が見つけてあわくって止めさせたのです。しかし咎められたのは男の子一人だけだったので、ちょっとよくわからない。その場で私は、
「その男の子はわからないが、この女の子2人もアクシデントリーに開始してしまったようだ」とチーフに言ったのですが、そこは割とスルーされて、女の子たちは追い出されなかったな。
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その後、10時に開始した試験が15時に全部終了するまで、立ちっぱなしの試験官した。朝一番にトラブルがあったので、その後のグループでは、私がひとりひとりに、「合図があるまで開始するなよ!」と声かけをする必要があった。
(
続く )
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