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前編)
今回、大学生の試験官をしてみて、色々な問題点が洗い出せた。
1) 受験生がルールをわかっていない。
試験に関するルールは、開始前にもう一人の試験官(ロシア人)がロシア語で解説をして、プログラム上でもロシア語で説明があるんだけれど、多くの生徒がルールをわかっていなかった。
これは、単に不注意な子たちが多い可能性もあるけど、言語的な問題もありそう。試験概要を、ロシア語で読んでロシア語で聞かされても、独立後のウズベク語学校に通った世代にはあまり通じていないんじゃないかと推測している。彼らは、一様にわかっているふりをしているんだけれど、実際にはきちんと理解できていない。だから、試験概要みたいな重要なものは、ロシア語だけじゃなくてウズベク語で書いて、ウズベク語でも説明すべき。
2)カンニング
カンニングは毎回の試験で見受けられた。
毎グループで数人が、背伸びするフリをして隣の画面を除いたり、ひどいやつになるとあからさまに隣の生徒に答えを聞いたりしていた。私が目の前に立っているのに、舐められたものだ。でも、プログラムはランダムに出題するので、たとえ両隣の画面を覗いても訊ねても、正解は得られないのだ。
それにしても試験官の目の前で堂々カンニングをするとは、日本ではありえないこと。彼らの社会が助け合いを大事にしていることは知っているけれど、試験の場所でそれは、ないのではないか。助け合いは結構だけれど、ほかの世界に出て行ったときにそういうことはできないものだ、という教育は必要なのだと思った。
3)遅刻
毎グループ、10分から30分遅刻してくる生徒が数人いた。日本では、開始10分以降は入室できないといったことが明文化されていると思うけれど、この国ではそういうことはない。
15分遅刻してきた生徒が何を言うかというと、言葉を尽くして頼み込む。
私がたとえ「もう15分過ぎてるから君には受験資格はないよ」といっても、あきらめない。
「残り時間だけでやらせてくれればいいから」
「どうにかお願いしますよ!」
「駄目なら誰に相談したらいいんですか!」
手を替え品を替え「交渉」してくる。あきらめてくれたまえ。
私は潔い日本人サムライ(?)の子孫なので、恥ずかしくてそんなお願いはできないが、この国の人は本当にお願いをする。
しかも!お願いがケースバイケースで通ったりする・・・
(今日も、10人以上の生徒が「お願い」で再試験の資格を得た)
4)PCの故障リスクが考慮されていない
部屋には18台のPCがあって、毎グループ18人の生徒を入れてしまうので、PCが故障したらどうするんだろう・・・と気が気じゃなかった。スペアのPCを2台くらい用意しておいて、毎回16人にしてくれれば良かったのに。
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とにかく、いろいろ心配しつつ5時間めしぬき立ちっ放しで、とても疲れました。ちなみに、しょっぱなに弾かれた男の子は「お願い」の効果もあって14時にカムバックできて、満足そうに試験を終えていきました。
ちなみに、もしも私が責任者なら、一切の遅刻は許さず、ルールは全部3言語で明文化して事前に読ませて免責事項とし、いっさいの言い訳は許さない厳格なテストがしたいですね。あははー!
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