忍者ブログ
Home > > [PR] Home > 任期3 > 出稼ぎ列車(3) ハラショーラボータ

大陸性ステップ 旅と音楽。

旅や音楽の記録。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

出稼ぎ列車(3) ハラショーラボータ

出稼ぎ帰りの男たちは、ホラズム州やナボーイーで徐々に降りて行ったが、一人はこの列車の出発地のサラトフで働いて、これから東部のアンディジョンまで帰るということで、タシケントまで一緒に乗り合わせた。タシケントが近づくと(とはいえまだタシケントまでは2時間以上あったが)、いそいそと着替えて、髭を剃って、服をパリッとしたものに着替えて、香水をつけていた。

「久しぶりに故郷に帰るの、うれしい?」と聞くと、「そりゃーうれしいよ!」と満面の笑みで言った。2歳と5歳の男の子がいるそうだ。見た目は老けてるけどたぶん私より年下だろう。

運よく、出稼ぎ列車に乗り合わせたので、何人かの出稼ぎウズベク人に話を聞いてみたところ、口を揃えてロシアはいいところだ、と言っていた。

旧ソ連諸国からの出稼ぎ労働者というと、報道などを見る限り随分ロシアで酷い扱いをされているようで、不憫だなあと思っていたけれど、実際帰ってきた人たちが口々にお金も稼げるし、いい国だと言っているのなら、それほど酷い生活でもないのかも知れない。

もっともウズベキスタンだけで500万人もの男がロシアに出稼ぎに出ているなら、中央アジアやカフカス人全体で考えたら1000万人は超えるのだろうし、それだけいれば不幸な体験をする人も何人かいるはずで、そういう体験談が誇張されて広まる側面もあるのかな、と考えを改めた。

列車で出会った出稼ぎの男たちは、大概大柄でプロレスラーみたいな体格で、貧弱なスラブ人より力仕事向きだし、彼らの性格は大人しくて、親分の言うことをよく聞くし、それにグループ行動を好み、思いやりがあるので、出稼ぎの労働者のなかでは優秀(ハラショーラボータ)なのだろうな、と思う。
PR
コメント

コメントを受けつけておりません。

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

自己紹介

自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

タシケントの天気

Tashkentの天気

ブログ内検索

忍者アナライズ

カウンター

アクセス解析

フリーエリア