1時間くらい歩いて渋谷駅につくと、東急プラザの前にある広いバスターミナルが、まるで花火大会みたいに混雑してました。歩道橋の上にも人がすずなりになっていて、「あんなに乗ったら橋が落ちちゃう」と思ったのを覚えています。
渋谷で友達と合流することができて、気持ちが安心しました。
それから、3-4時間歩いて深夜に調布に帰れましたが、3月なのに夜風が冷たくて、友達と励ましあいながら歩いたのを覚えています。
途中で疲れて、芦花公園のあたりでタクシーに乗りましたが、皆が一斉に自家用車を出したせいで道路が全く進まなくなっていたので、諦めて降りて歩きました。あんなに揺れた割りには、倒壊した家をあまり見なかったです。
家についたとき何をしたのか、何を考えたのかまったく覚えていません。とにかく寒くて疲れていたので、すぐに寝たのかも知れません。
あとになって、自分が見聞き体験したことをはるかに超えたことが日本列島に起きたということを知りました。
この日の出来事のこと、なるべく思い出したくないと思っているのに、なぜか今でも春が近づくとYoutubeなどであの日の映像を探して見てしまいます。今でも、映像や音声を見ただけで心臓がキューっとして鼓動が早くなるので、嫌なのに、怖いもの見たさなのかなんなのか、映像を見るたびに涙腺が緩みます。無意識に忘れないようにそうしてしまうんでしょうかね。
私は津波の被害を受けて無いし、家も家族も失ってないので、被災したなんていうのは大げさだと思いますけど、何も失ってないのかといえば、結局それがきっかけになって仕事も辞めて、ぜんぜん違う人生を歩み始めたし、そのとき受けたおっきなショック(震災そのものだけじゃなく、その後の社会の様子とか、人間関係の変化とか)から抜け出したかというと、まだ生生しくショックを受けたままのような気もしています。他の人がどうだかわからないけど。
おわり
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