Maxwellというと、大昔のグラミー賞のパフォーマンス、Unpluggedのライブ、アルバムの音源から、「神経質、細身、おしゃれスーツ、シャイで寡黙」という印象だった。でも今回のライブを見て、おしゃれスーツ以外はまったく的外れだったとわかった!「ずっと満面の笑顔で、あふれるサービス精神、筋肉質のセックスアイコン」ブルックリン出身らしい、高そうなおしゃれスーツは、ぴちぴちで似合ってた!
待望の20年越しの初来日公演は、8月19日新木場Studio Coast。オープニング、Dance withmeで日本の国旗を両手で振りながらステージに躍り出てきたMaxは大漁旗を振ってるおしゃれ漁師みたいでおおウケ。昔の繊細でコロコロした歌声よりマスキュリンで太く、より成熟した美声でした。Youtubeで見るライブ映像だと声が出しづらそうなときもあるんだけれど、19日のライブはまったくスタジオ録音とくらべても遜色ない美声で、圧巻でした。
This Woman's Workではスクリーンに日本語の訳詞を表示しながらケイトブッシュのバージョンを流し、続いてMaxwellの歌唱。ファルセット健在でした。故人への追悼を意図したスクリーンアートにはプリンスに続いて千代の富士、永六輔、大橋巨泉の映像が。こういう細かいところにサービス精神が出ていてとても良かった。男性ばかりだったので女性の紘子さんとかも入れてよかったと思うけど。
Maxwellのサービス精神はいろいろな場面で感じることができて、たとえばMCは、非英語圏の観客を意識して平易な英語で話してくれていたと思う。今年のD'angeloの公演ではMCが殆どわからなかったけど、今回は殆ど理解することができた。そのほかにも、歌詞をトーキョー、ジャパンに変えてみたり、さかんに両手でハートマークを作ってくれたり。(余談だけれど、あの、両手でハートマークって韓国で流行ってて、日本ではあんまり・・・と思ってたけど、どうなんだろう?日本の直前が韓国公演だったから覚えてきたのでは。)
そっからはLifetime, Sumthin’, Get to know yaと歌える曲が連発で、昔からファンやってて、本当によかったと思った!
Fortunateに続いて、ラストのAscension-Don't Ever Wonderでは合唱(私のまわりだけだったでしょうか?)
日本では90年代、一時期ソウルが流行ったような気がするんだけど、最近はすっかり流行じゃなくて、今回の会場は2000人くらいのStudio Coastだし、しかもチケットは売れ残ってたみたいだし、ロンドンだとO2でライブできるような人がこんな小さな会場で、あんなに近くで見られるのがアメイジングだったし、逆に本当にソウルが好きな人がぎゅっと集まったよな観客だったのも良かったのかも。(余談だけどクリスブラウンが国際フォーラム2Daysで売り切れたそうだけど、自分にとってはMaxwellのほうがよっぽどBig nameなのでちょっと腑に落ちないのだった)
20年前、Urban Hang Suiteは新鮮で驚きにあふれた音楽だったけど、今でもLake By the Oceanみたいな、何度聞いても飽きないような音楽を提供してくれるのは本当にすごいことで、美声を使い潰さずに20年も保ってくれるのも驚異的で、それに比べたらアルバムが7年かかるとか、来日まで20年かかるとか、そんなことはどうでもいい!と思えました。
あと、Maxwellのことをあまり肉体的な人物だとは思ってなかったのだけど、ピチピチの高そうなスーツに筋肉質の臀部をぶりぶり振りながら歌う姿はかなりのセックスアイコンでした。ライブに行かなければそんなこと知らないままだったなぁ。
素晴らしいライブを見せてくれたのに応えて、良い観客だった、と演者が思ってくれていたらいいなと思うし、本人が「また帰ってくるよ」と言っていたとおり、また来日してくれたら嬉しいのだけれど、どうなることやら。期待して待っていましょう。
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