Jamie Dornanは今だとChristian Grey役で世界中に知られていますが、もともとこのドラマの演技が評価されてかの映画に抜擢された経緯があるそう。
彼の喋りはいつでも強いベルファスト訛りで米国の富豪役よりはベルファストの殺人鬼の役のほうがしっくり来る感じがします。恵まれた外見の割にはあまり上昇志向というのか、一旗揚げてやるつもりはないように思うのですがどうでしょうか。
このドラマはX-Filesで知られるGillian Andersonとのダブル主演です。Gillianも米国と英国両方に出自を持つ器用な女優さんで、ちょっと野暮ったい感じもあったX-Filesの頃と比べて実に美しくなっていて、見ごたえがあります。(そういえば、今の人だとAndrew Garfileldも米国と英国両方に出自を持つ 人ですね)。
プロダクションが秀逸だなと思うのは、ほとんどの出演者がベルファストおよび北アイルランド出演者で占められていて、なかでもMerlinの人気俳優Colin Morganの存在も冴えています。ハリウッド映画で中国人が日本人の役を演じて変な日本語を喋っていたりするのは、調達の関係で致し方ないのだろうなと思う反面、やっぱり興ざめしてしまうもの。このドラマではベルファスト出身者がベルファスト訛りで喋るから安心感があります。
ストーリーラインも秀逸でベルファストの宗教的な対立問題なども織り込みつつ、追うものと追われるものの心理戦が描かれています。
このドラマにおけるギブソン(アンダーソン)とスペクター(どーなん)は似たもの同士、美しい、性的な捕食者で、過去に問題を抱えている。何度か繰り返し見ても新しい感慨があります。
2014年12月にシーズン2が終了してからなかなかシーズン3が始まらなくて、現地の視聴者はこの事件が解決するだろうかと、やきもきしたでしょうが、無事に2016年10月にほぼ2年越しにシーズン3が開始しています。ところがこの時期Jamie Dornanが急にハリウッドで人気になってしまったせいか、Season 3においてDornanの出番は明らかに限定されていて、病院で寝たきり、監獄で閉じこもりのシーンばかり。Gillian とDornanが一緒に出演するのは結局最後の取り調べシーンのみ、なところに裏事情が見え隠れ。それでもこのドラマの魅力は維持できていて、期待を裏切らない。
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