マーダムと。
19歳の頃、私が何者でもなくて、汗臭いトラベラーズチェックを腰に巻いて、汚いバックパックを背負った野良犬みたいないきものだった頃に、家に住まわせてくれて毎日ご飯を作ってくれて、つかず離れず1年くらい暮らしたタイのお母さん、恩人であり二番目のお母さんのような人が亡くなりました。よく一緒にビールを飲みましたね。
伝統的なタイの人なのに、朝にはなぜかとてもおいしいバナナパンケーキを焼いてくれました。
懐かしさであれからいろんなタイ料理を食べましたが、Mamaの作る東北タイ料理以上においしいものは食べたことがありません。
一緒にメコン川のほとりに畑を作って、二種類のパクチ、トマト、ねぎ、原始ナス、菜の花なんかを植えました。
オレンジ色の少し甘みの出たパパイヤで作るソムタムが一番おいしいと言って、オレンジになるまでパパイヤを置いてありました。
ドリアンが大好きだけれど、心臓に悪いから食べれないと言っていたけれど、結局一緒に食べましたね。
アヒルの内臓をハーブで煮込んだもので作ったLaabもおいしかった。
一緒に田植えをしたときにはじめてヒルにくわれました。
私が喘息で動けなくなったときに自慢のホンダの125ccに乗せられてサンコム病院に連れていってくれましたね。
よく、メコン川を手漕ぎの船で渡ってくるラオスの女性からセミを買って、羽をむしって食べた。
蒸した菜の花に、魚の味噌とにんにくとパクチーで作ったナムチムをつけて食べるのおいしかった。
ある日、マーダム(黒い犬)をつれてきて、一ヶ月くらい飼ったけれど結局いなくなって、殺して川に捨てたって言ってたけど、本当はどうだったの?傷ついたんだけど・・・
おまえは若いのに夜一人でいて可愛そうといって、村から若い人を連れてきてくれましたね。びっくりしました。結局お話しただけで何もしなかったけど
私が南に行ってビーチで日焼けして帰ってきたら、色黒は嫌いだといって顔をあわすたびに黒い、黒いといっては嫌な顔をしましたね。
生姜と縫い針で耳に開けてもらったピアスの穴はいまもあります。シーチェンマイの中国人の店で一緒に買った金のブレスレットもタシケントに持ってきている。
書ききれないくらいの思い出。
一人で闘病されていたのも知っていたけれど、お金が無かったり時間が無かったりしてタイにはいけず、昨年スカイプで30分くらい話せたのが最後になってしまいました。
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