アシアナ航空574便は、1時間10分遅延の予定だった。私のインチョン国際空港での乗り継ぎは50分間。これでは、予定の便では日本に帰れない。
チェックインカウンターで、事情を説明すると、生真面目な感じのウズベク人のアシアナ航空スタッフは、こういった。
「Sir, we're trying our best, and everything will be fine. (私たちはできる限りの努力はしていますから、全部うまくいきます)」
そして、到底間に合いそうのないインチョン発10時(ウズベク時間で朝6時)のボーディングパスも手渡してくれた。結局、1時間20分遅れの23:40分にタシケント国際空港を出た。
もしも到着が遅れても、次の便に振り替えてもらえばいいだけだけど、インチョンで5時間も待たされるのは苦痛だった。
出てきた機内食はタシケント積み込みなので、まずくて全部食べられなかった。かぴかぴに乾いたパンとサラダ、デザートにはお皿に輪切りの缶詰パインが無造作に二個皿に乗っていて、まるで食事からおもてなしの心を完全に抜いたみたいな。
前の席のウズベク人の兄弟はどうやら初めての飛行機のようで、終始きょろきょろと機内を見回していて、10分に一度くらい目が合うので落ち着けなかった。こちらが機内食を食べているのに、前のリクライニングさせた席で伸びをして頭をボリボリ掻いたりして(つまり私の機内食の上あたりで)、若干不快。さらに、彼ら(の兄のほう)は私に席を変わってほしい、と言う。「どうして?」と聞くと、弟のほうが、あなたの席は隣が空いているから、兄が横になって寝やすいじゃないか、と。私は呆れて、「あなたが横になって寝たいなら、私だって横になって寝るよ」と言うと、二人して苦笑した。
気がついたら、天井のディスプレイに表示された到着予定時刻は9:23分(ウズベキスタン時間5:23分)になっている。ひょっとしたら10時の便に間に合う?この便の予定所要時間は6:30のはずだけれど、5:43分で到着するみたい。ふと画面を見ると、940km/hの速度で飛行機が飛んでいた。それが速いのか遅いのかわからないけれど、とにかく、インチョンで急いで乗り継げば間に合うのかもしれない。ところで、飛行機って急げば急げるようなものなんだっけ。
結局、インチョンで降機したのは9:30を過ぎていた。連絡橋には、私の名前を間違ってIyama Trroと綴ったプラカードを持ったアシアナ航空のスタッフが待っていた。
「・・・イヤマです!」
「突き当たりを右へ、3階であがって下さい!」
急げ、とは言わないけれど、有無を言わせぬ口調に急かされた。
走って、セキュリティを抜けて、上って、搭乗階へ。Gate43番はどこだ? あそこ!
Gateについた際にはもう搭乗は始まっていたけれど、まだ少し列が長かったので、走って喫煙所へゆき、急いで半分だけタバコを吸った。搭乗15分前。タシケントのアシアナ航空職員が「全部うまくいく」と予告していたとおり、間に合った~!
結局12分程度で乗り換え+タバコ一服できた。インチョンばんざい。アシアナグッジョブ。
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