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聞き捨てならない

聞き捨てならない父の一言

父と会話していて、こんな一言がありました。

「まったく、イスラム教徒ってのはひでぇもんだな。仲間内で殺し合いをしたり、テロをしたり」

イスラム教の国に幸せに暮らす私としては、ここは否定しておかないといけません。

「イスラム教徒は、世界に16億人いるんですよ、当然、善良な人が殆どなんだから、一部の過激なグループの人々が過激な行動をするだけで、イスラム教徒はひどいなんて言うのはおかしいです。げんに、私は普段から善良で温厚なイスラム教徒と住んでいるのだし、これまでにもイスラム教徒にはたびたび助けられているし、むしろ親切な良い人たちが多いんですからね」

実際に、マレーシアでもインドネシアでも良い友達ができたし、タイのムスリムの家族は人生の恩師とも言えるアドバイスをくれたし、今はウズベキスタンで、生真面目で善良なムスリムたちが、助け合ったり分け合ったりしているのを見ると、とてもじゃないが納得できる発言ではありませんでした。

うちの父は、海外経験もなく日本で職人一筋に生きてきた、きわめてローカルな人だと思います。善良な気持ちで、日々テレビで放映されるシリアの内戦や、エジプトの混乱を見るにつけ、イスラム教徒はひどいもんだ、という認識を持ったのでしょう。だから、知っていて差別する宗教差別的な発言ではないと思っています。ただの横丁のおじさんの感想といった発言なのです。善良な市民である父に、変なゆがんだ知識を植えつけているのは誰なんでしょうか。

うちの父はテレビで情報を得るのを好みます。テレビで見られることがつまり世界で起きていることだと考えているんでしょう。

イスラム教徒、とひとくくりに言っても、その中にスンナ派とシーア派があるだとか、さらに細かな学派に分かれていて、過激なことをしている人々がどの部分に属していて・・・ということは、ただの善良な市民であるうちの父の知るところではありません。テレビが好きな父が米側からの視点をもとにしたテレビの報道でイスラム=悪という印象を持ってしまうのは仕方が無いと思います。旧ソ連の国で、ロシアメディアを見ていると、日本の報道はずいぶんアメリカ寄りの視点に立っているのだな、という印象を持ちます。

思うに、テレビは、またイスラム教徒が過激な事件を起こした、という報道はするが、じゃあイスラム教というのは何か、というバックグラウンドまでは伝えないし、日本ではそういった教育はされない、という要因があります。普通の、街の日本人にとってはイスラム教徒っていうのが少数民族みたいなものだと思っているのかも知れません。実際は日本人こそが世界の少数民族みたいなものなのに。その点ではソ連~ロシアの人々は、そもそもイスラム教徒やシベリアの方の仏教徒をソ連人として内包していたことから、イスラム教徒に対する変な偏見は少ないと感じています。

父のような人の誤解を解くためにはなにより、善良で健全なイスラム教徒に出会ってもらうしかないと思うので、マレーシアやインドネシアや、中央アジア諸国を連れ回したい気持ちがふつふつと芽生えてきます。

じつはこういった体験は初めてではなく、私が子供のころにも父は、中国に行ったこともないのに「チャンコロはどうしようもないな」というような事を言っていて、私は内心、そういった大雑把な決め付けに疑問を感じていました。高校卒業後に中国に渡るために中国語を勉強して、実際に1年間中国に渡って暖かい人民の人たちのホスピタリティに触れて、そういうことを書いた手紙をしきりに実家に送るようになってからはさすがに父のそういう発言は鳴りを潜めました。

今思うと、私が世界に関心を持ったきっかけはひとつではないですが、私の父の思い込み、決め付け発言が本当かどうか知りたい、もしも違っていたら父の意見を訂正したい、という気持ちも確かにあったと思います。

先日の帰国で、中国や韓国の対日感情が何年か前にくらべて何パーセント悪化した、というニュースが2分くらい流れたときに、父は言いました。

「お前は20年前、いいときに中国に行った。今は大変だぞ」

やれやれ。実際には私は2年前に再度中国にゆき、彼らが何も変わっていない、むしろ人々の表情は明るく、良くなっていることを確認しているので、その発言にも反発を覚えましたが、色々と説明するのも面倒になってしまって特にコメントはしませんでした。
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自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

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