我々より1年後の新隊員の話などをきいていて、
思い出した。一年前にタシケントに来たときのこと。
ロシア語に面食らった日々だったなぁ。それで、今はロシア語とどのように取り組んでいるのか、一年かけてわかったことなどを書いてみます。
タシケントに来たころ、街の人々の9割はロシア語で話しかけてくるし、職場も半分がロシア語話者なので共通語がロシア語、おまけに、住んだのがロシア人居住区だったのでご近所は皆ロシア人、つまり近所の人との会話もロシア語という環境でした。
せっかく日本で二が月みっちりウズベク語を学んできたのに、誰もウズベク語で話しかけてくれない、というのがストレスでした。
もちろん、ウズベク人相手なら、こちらから「ウズベク語で話して下さい」とリクエストすればウズベク語で話してくれるのだから、用は足りるのだけれど、何より、ロシア語が全然わからない自分がなんとも不完全な気がしてしまって、話すのに気後れしたり、妙な焦りや恥ずかしさがあったりしました。
おまけに、たまにいる、ちょっとナショナリズムを発揮させちゃった若者たちは、逆にロシア語を話すことを嫌がって、ウズベク語で話すことを求められたりして、ロシア語に取り組む気持ちをそのたびに削がれたりしました。
一年こつこつとロシア語の勉強をして、最近は簡単な質問やら会話はできるようになってきたので、だいぶん気持ちが落ち着きました。それで改めて思うんだけれど、そんなにロシア語に関して心配する必要は無かったかも知れません。
その理由は、
まず、職場の人は、だいたい(7割くらい)は、ロシア語とウズベク語のバイリンガルだから、丁寧にこちらから「ウズベク語でお願いします」といえば、ウズベク語を話してくれる。
普段ウズベク語を使わないロシア語話者の人も、じつは聞いたら理解できるし、ヘタだから話したくないだけで実は話せるっていう人が多い。ウズベク語を話せないと思っていたロシア語話者の同僚(非ウズベク人)が、最近は私にだけはウズベク語で話してくれるようになったり。実際に、働いている人でウズベク語が全然わからない、っていうロシア語話者(ロシア人を含む)には、ほんの数人にしか会ったことがないです。
また、職場の場合はたいてい数人のスタッフがいるので、もしもロシア語話者との会話に困っても、近くの人が手助けしてくれるのが普通。
街中では、ウズベク人もたいていロシア語で話しかけてくるけれど、じつはロシア語が下手だったり苦手な人も多いので、ウズベク語でおねがい、といえば喜んでウズベク語で話してくれる人も多い。
もちろん、母語よりロシア語が得意っていうウズベク人も、多くいるけど、ロシア語話者のウズベク人だって、親戚や友達付き合いを通じてウズベク語を使う機会の無い人はいないはずなので、まったくウズベク語(母語)と無縁で育ってきた人なんているのかな、と思います。
働いてないおばちゃんやおばあちゃんなどは、全然ウズベク語ができない人もいる。特に、私のマンションのロシア系住人のそういう人たちはウズベク語をわからない。だから、そういう人たちと会話するために簡単なロシア語の会話ができたほうが良いけれど、お隣さんのロシア人夫婦はロシア語オンリーの奥さんと違って、旦那さんは流暢にウズベク語を話すし、ロシア人だからロシア語しか通じないっていう状況ではないみたいです。
結論、タシケントでロシア語は話せるに越したことはないけれど、話せなくても全然問題ないし、話せないことに引け目を感じるひつようは全然ない。げんに、地方から進学でタシケントに来ている学生などは、全然ロシア語がわからなくても気丈に生きているわけだし。
ひとつだけ困ることがあるとしたら、電話です。電話の場合、見知った相手以外は相手が何語話者だかわからないので、ウズベク語話者でもロシア語を使う機会が多いように見受けられます。私も苦手なロシア語で電話対応をしないといけなかったのがストレスでした。
私の場合は電話でウズベク語で話そうとしても片言なので、相手が気を使ってロシア語で言い直してくれるっていうのがなんとも困りましたねー。
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