行きの飛行機でも、前の席の青年に「席を替わってほしい」と頼まれた。
帰りの飛行機では、こういうことがあった。
私の座席、14Cにはウズベク人の男が座っていた。そこは私の席だと言ってどかせると、ちょっと不満そうな顔で別の席に移動していった。しかし、移動した先が彼の席だとも思えない。
まわりを見ると、その男の連れらしい人々も、おもいおもい好きな席に座っていて、本来の乗客が来て彼らをどかしている。誰一人自分の指定された席には座っていないのか?
タシケントの入国審査がいつも混みあうことを見越して、私の席は取りうる限り前のほうを一ヶ月前から押さえていた。だから、たとえ空いている便でも私はそこに座る必要があった。
それにしても、ウズベク人乗客の自由さは何だろう? まるで飛行機が自由席だとでも思っているような振舞いだ。
私の、通路をはさんで隣に座っていた別のウズベク人男性は、通りがかったスチュワーデスに、
前のスリーパー(ビジネスクラスのことと思われる)が空いているなら、そちらに移らせて欲しいとお願いして、冷笑されていた。
そんな話を日本語のわかるウズベク人スタッフに話したところ、
「ウズベキスタンの国内線なら、席は自由席だから、きっとそういう習慣が残っているのでしょう」
とのこと。なんたる驚き。
国内線なら自由席だって?!
飛行機の座席が自由席だという習慣がどこから来たのかわからないけれど、きっと飛行機が利用されはじめたソ連時代からの習慣なのだろう。もしかして、旧ソ連諸国の人々にとって、飛行機の座席は早い者順の自由席だという考えが根強く残っているのだとしたら、それはとても面白い。
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