昨年念願の長男が生まれたQ君、親がたくさんの写真を残してくれたように、自分も息子の写真やビデオをたくさん残しておきたいとのことで、ビデオカメラを買うことにしたそうだ。ドバイに出稼ぎに行く友達にお金を託してソニーのビデオカメラを買ってきてもらうんだって。
「友達はみんなドバイやロシアに出稼ぎに行っていて・・・」
「自分も長男だし、家も建てないといけないし、車も買わないといけないから、いつか出稼ぎに行かなければ」
と、言っている。(ウズベキスタンでは末の弟が家に残り、長男は普通家を出ます)
Q君みたいにきちんと公務員としての仕事がある人でさえ、出稼ぎを検討するんだと思うと、胸が締め付けられる。だって、自分が25歳のときに、じゃあ家族のために、ちょっと3年くらいアメリカで稼いできてね。と言われたらどうだろう?俺には無理だね。でも彼らは普通に、自分から、それを検討しているのだもの。
果物や野菜、それとパン以外はそれなりに物価が高いウズベキスタンで、お父さんの月収2~300ドルでは到底、家を建てて一家を養うのは無理なので、お爺さんはタクシー運転手、おばあちゃんはご近所になんか売ったり、注射してあげたりして、お母さんも子育て終わったら勤めに出て、世帯収入でなんとかやりくりしてる家は多いようす。一人若い男が海外に出て毎月何百ドルか送金してくれるだけで相当やり繰りがうまく行くんだろう。
出稼ぎに出ずにウズベキスタン内で、人並みより多めに稼ぐには、なんとかコネを生かして偉い人の近くにいき、実績を残して気に入られ、ライバルを蹴落としてもそれなりの立場に立ち、権力を持ちつつ、空いてる時間はせっせとサイドビジネスに精を出し、働ける時間の殆どを仕事に費やす必要があるんだろうと思われる(私の観察によります。)
だけど、私のような怠け者や、Q君のような心優しい人には、つまり殆どの人には到底無理なゲームなので、ドバイなり、ロシア各都市なり、ソウルなりに出稼ぎに出て、毎月何百ドルか送金するっていうのが手っ取り早いのはよくわかる。
働き口はあるものの給与が低くて、若い男が国外に出ざるを得ないっていうのが問題だっていうのは、もちろん認識されているんだろうけど。
ちなみに、もしも出稼ぎに出るのなら、スキンヘッドに追い回されそうなロシアとか、ネパールの労働者が酷暑の中の労働でばたばたと亡くなってるらしいアラブ方面には、Q君のような人には行って欲しくないなと思って、行くならソウルがいいんじゃない?と言っておいた。死ぬほどの暑さじゃないし、仲間も多そうだし、殺されるほどのひどい扱いも無いんじゃないかと思ったので。
PR