日暮れの街に出てみると、人がぞろぞろと歩いていました。私と同じように徒歩で帰宅する人たちなんだな、とわかりました。
親しい同僚に会って、「大変なことになりましたね」などと会話しながらなぜか感極まってきて、あれ、おかしいな、と思いました。
まずは渋谷に行かないといけないので、山王下から赤坂サカスの前の坂道を歩き始めました。ルートは前もってGoogle地図で見て頭に入れてありました。
通りでは、殆どの店が店を閉めていて、吉野家が店を閉めているのを見て、はじめて「ああ、本当に大変なことなんだ」と思いました。
金曜の夜の赤坂の繁華街で、24時間の牛丼屋が店を閉めているなんて、なんてことだろう!と気づいたのです。我ながらこっけいな気づきなんですが。
古そうなビルで壁が崩れたようで、消防車とはしご車が出ているのを見ました。それと、店を閉めた和菓子やさんの店頭で店員が、「よかったら大福持っていってください」と、徒歩帰宅者に配っていて、涙腺がゆるみました。
私は、大福はもらわずに急いで歩きました。
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