図書館のことを書いたら、意外に反応が多くて面白かったです。図書館って利用しない人は全然しないと思うのですが、やっぱり最小公倍数的に、多くの人が交わる場所なんでしょう。
数十年ぶりに入り浸るようになった図書館で昔と違うこと。
1)利用者が多い
特に、リタイアした後の世代と思われる60-80代くらいの人が、すっごくたくさんいて、雑誌を読んだり、居眠りしたりしています。平日の昼間でも座る場所が無いくらいなんですよ。子供の頃はもっと閑散としていたと記憶しています。社会が高齢化しているといわれていて、ジムも、コーヒーショップも高齢者の天下だな、と思うことがあるけれど、無料で座って居られる場所などに行くと本当に、リタイア後の団塊世代の人が多いっていうのがわかります。
2)インターネットと連動している
本の予約システムは昔は、カウンターで紙に書いて申し込んで、という方式だったのですが、今はもうネット検索・予約申し込みが可能になっていて、しかも、市内の図書館全館の蔵書が対象になります。私の行ってるA図書館に蔵書がなくても、B図書館に蔵書があれば、それを確保してA図書館に回送してくれる、つまりどの図書館の蔵書、っていうのを意識しなくてもいいようになっていて、ほうー、と感心しました。でも、人気がある本は50人待ちなどとなっていて、昔よりも読みたい本が書架に並ばなくなったのかも知れません。1冊を10人が待つのが以前の方式なら、10冊を100人が待つようになったというわけで、効率は良くなってるはずですが、やっぱり利用が楽になっているだけ以前より予約利用者も多いんじゃないかと想像します。
私はどちらかというと書架から選んで読みたい人間なので、タイトルと装丁で選んで、先日2冊の本を借りました。
女ぎらい 日本のミソジニー 上野千鶴子
呪いの時代 内田樹
これが、どっちも大当たりで、ああ、読んでよかった、という本でした。普段から私が考えてもわからなくてモヤモヤしていたことが、明快に書かれていて、胸のつかえが降りるような読書体験でした。
『女ぎらい』は、日本の社会に存在するミソジニー(女性蔑視)について書かれています。女性蔑視なんて怖くて殆どの人が関係ないと思うかもしれないですが、読んでみるとたいてい誰でも思い当たる節があるかと思います。私は、男性社会で、男性だけが集まって女性の性的な話題を話したり、特定の男性を仲間はずれにしたり、というのがすっごく嫌いなのですが、たいていどんな場所に行ってもそういうことが行われています。この本にはその現象の発生機序も解説してあって、ああ、そうなのか、と理解することができました。
『呪いの時代』これは、日本の社会について書かれた本ですが、最近話題になったイスラム過激派のことを理解するのにいいテキストだと私は思いました。破壊する人と創造する人の違い、どうして恨み、呪うのか、といったこと、インターネット上で普通の人たちが不愉快なふるまいをすること、について理解する助けになりました。
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