この映画を観て何か語らずにはいられない人がほとんどだと思いました。私も色々と胸に去来するものがあり、2018年早々スリービルボードに続きたいした映画を観てしまいました。
そもそもDCにもMarvelにもそんなに興味ない人間なのですが、ここ数年のアメコミ映画作品の出来が良すぎて、つい観ています。
Netflixでは、Daredevil、Jessica Jones, Luke cageと、障害者、女性、黒人のスーパーヒーローが次々誕生しました。映画だと、女性のヒーローWonder Woman、そして、Loganではヒーローが年老いて、不死身でもなくなり、放送禁止用語を連発しながらひどい暮らしに明け暮れている。 健康な、白人の、男、という定型を否定する作品が次々生まれていました。
そして、満を持して黒豹が公開され、3週間で世界の興行収入が7億ドルを超えるという歴史的なヒットになっています。そのうえ、まだ中国での公開があるので今後もっとヒットするということでしょう。
先ず惹かれたのが、サントラがとてもよくできていること。それから、マーベルのヒーロー作品でありながら、ほとんどのキャストがアフリカ系であること。そんな多様性を期待して拝見しましたが、期待を大きく超えた傑作でした。
架空の国家ワカンダは、超先進国として描かれます。戦士、科学者は女性。国王は男性ですが、とことん弱さを見せる繊細な存在として描かれます。男性は女性の決定に従うことになります。
従来の映画で、貧しく、賢くなく描かれてきたアフリカ、弱く描かれてきた女性、強く描かれた男性、そして白人ヒーローの添え物のように描かれてきたアフリカ系キャラクター、それらをすべて否定して、まったく新しいダイバーシティーを描いてみせたのがこの映画です。
なんと、映画全体のレベルを引き上げたことでしょう。今後はこのような映画をスタンダードとして映画が作成されるわけですから。
女優のオクタヴィアスペンサーは、貧しい黒人の子供がこの映画を鑑賞できるように映画館を借り切って子供たちを招待したそう。そういう逸話も含めて、称賛せざるを得ません。
国王の親戚にあたる王子が現れた場面で、部族長たちが慌てふためく場面は、さながら犬神家の一族における、青沼菊乃の名が出た場面を想像させるもの!
ところで今日はオスカーの授賞式でもありました。SNSでリアルタイムで追いましたが、だいたい全うな結果だと思いました。スフィアンは歌曲賞取れなかったけど、そのかわり立派なグッチを着てパフォーマンスしていたし、私は満足でした。マクドーマンド兄貴のスピーチも、素晴らしかった。シャラメ君も残念だったけど、今後の活躍も約束されたようなものでしょう。
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