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『BPM』をヒューマントラストシネマ有楽町で



『BPM』Beats per Minute / 120 battements par minute(仏)
監督:Robin Campillo
製作年:2017

掲題の、フランス映画を観てきました。

好きなフランス映画は2本あって、1981年のDiva, それから、1992年の野生の夜に( Les Nuits fauves)を20代のころに何度も見ました。Diva,がそんなに古い映画だったとは、今Wikipediaで調べるまで知りませんでした。

『野生の夜に』は、この『BPM』 と同じく、90年代のエイズ禍を描いているものです。

さて、この映画、『BPM』。90年代初頭のパリ、HIV感染者のアクティビストの若者たちが、病気が進行するなかで命をかけたプロテストを、政府や製薬会社にしかけてゆく、という物語。エイズを発症してバタバタと仲間が死んでゆくのに、政府は何もしてくれないし、製薬会社は薬を出し渋るという切羽詰まった90年代を描きます。

90年代初頭というと私もちょうど18歳になったころで、けっこう図書館でHIV関連の本を読んだりして知識ばっかり豊富にありました。性的に成熟する時期と世界的なエイズ禍がまるでかぶってしまったことは、不運だったと思います。この映画の主人公も、HIVが怖くて一時期セックスを我慢した、というセリフがありますが、そういう人はきっと多かったと思う。

追い詰められた状況の中、力を出し合って状況を改善してゆこうというメッセージは、心に響きました。彼らの方法は過激で、まるでテロリスト団体なのですが、それでも嫌悪感を抱くようなことは無かったです。

映画の後半は丁寧に看取りが描かれることになりますが、この描写がとても丁寧で、胸につまされました。とある登場人物が使い捨て紙パンツを穿いている場面には、そのリアリティに息を飲んでしまいました。私にはそういう看取りの描写のほうが胸をつきました。

140分以上と長い映画でしたが圧倒的な熱量があり、飽きることもなく、加えてサウンドトラックはとても良かったので、今CDを探しています。

ところで、ヒューマントラスト渋谷・有楽町でTCGカードを作っておくと鑑賞が毎回1300円になるそうで、これはけっこう、神カードなのでは?今後もヒューマントラストで気になる映画(※)が数本公開になるので、カードを作っておこうと思います。

(※)露映画『ラブレス』ハンガリーの『心と体と』独映画『女は二度決断する』と、今月は欧州映画が豊富。
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自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

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