特に意識しないでWEBをサーフィンしていて、へんな名言とか、美談が目に入ってしまったときのがっかり感はない。先日、ふと見出しにつられて読んでいくと、「仕事が出来る人はゴールを設定する人」とか書いてあったけど、じゃあ、ローマは一日にしてならず、なんて言っていた人は、きっと仕事ができないんだろうな、と思った。そういう人にとっては、ローマは90日にしてなる!とかっていうのが、よく見えるんだろう。
ライフハックっていう言葉がチラチラ目立ち始めた頃から、東京で会社員をするのが苦痛になってきて、結局やめたんだけど、自分でも何が嫌なのかよくわからなかった。最近、ライフハックとは無縁のこの地で思うことだけど、たいして年収ももらっていない会社員が、行きと帰りの電車でそんなライフハック本を読んだり、「年収800万転職」、「間違った英語を話してる?」みたいなコンプレックスを刺激する広告に囲まれて生きるの、いっぱいいっぱいで疲れちゃったのかな、と思った。
人間が自分なりに無理なく働けば食い扶持になればいいんだけどね。自然に働いて、それに見合う金を貰ってる人に、こうすればもっとできるとか、こういう人のここが駄目、とか言って、自然にできること以上に頑張らせるのは、なんだか調教師が鞭で打つような姿を連想させて、哀れだ。私がライフハック云々に感じる嫌な感じはそういうところ。
他人より頑張らないと金も稼げないから、なんとか実力以上に成果を出そうとして、そういう弱みに目を付けた人がライフハックビジネスで金を掻っ攫ってゆき、目をつけたもの勝ちみたいな忙しい東京は大変なところだよぉ。私みたいな、グズい人間にはちょっともう無理かもしれない。かくなる上はやっぱり火星に移住するくらいしか、ないか。
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