「今度の8月で契約更新だけど・・・」
うんうん
「あなたは、トラブルも起こさないしちゃんとお金も払ってくれるし、とてもいい入居者なんだけど・・・」
へぇへぇ
「俺としてもこんなこと言うのは心苦しいし、できればあなたに住んでもらいたいんだけれど・・・・」
んで?んで?
「最近のタシケントの物価上昇はひどくて・・・」
へぇ、へぇ
「マンションの値段も軒並み上がっていてさ・・・特にここみたいな中心地で地下鉄の駅の真上だったりすると・・・」
結論は何?つまり値上げしたいってことでしょ!?
「今は180ドルで貸してるけど、軒並みマンション価格が上がってるから、250ドル・・・いや、あなたはいい入居者だから特別に230ドルで貸してあげたいと思ってるんだけど・・・」
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なんとなく、会話のはじめからそうなることはわかっていた。というか、更新を控えて大家がわざわざ家にお話に来ると電話で聞いた時点でなんとなくピンときてた。
大家さんは青い瞳のロマンスグレーで、どうみても白人、ヨーロピアンなんだけど、上記のように結論を先延ばしにして「相手のメンツを立てる」話し方をするあたり、アジア人のアプローチだと思う。どうみても白人だけど、あなたの振る舞いはアジアジンだよね・・・と言いたくなる。
ウズベク人がアジア人かヨーロッパ人か、ということは、タシケントに来て以来よく考えることだけれど、黒髪に黒い瞳だけれど顔立ちはヨーロッパ人のそれだったり、見た目はすっかりヨーロッパ人なのに考え方や言う事がとてもアジア的だったりして、いつもはぐらかされる。アジアジンなのか、欧州人なのか、どっちともなくてよくわからないところが、まさに中央アジアなのかもしれない。
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私は若い頃、もう15年くらい前にファストフードで働いていたことがあった。昼はコンピューターのエンジニアをしていて、夜は地元のファストフードでパティを焼いていた。しかし、ある日クビになった。理由は、店長の方針にいささか反論があって、毎日書かされる日報みたいなものに、ちょっとした店長への批判を書いてしまったこと。
翌日、店長の奥さんである副店長が、私に言った。
「あなたはクビになります。でも、二週間の猶予をあげるので、どうぞ次の仕事を探してください」
今でも一字一句覚えているそのせりふ。なんと非アジア的で、欧米風なことか。
アジアジンというのは、相手に不利益なことを言うときでさえ、遠慮がちに相手を立てつつ言うものだよ!と思った。
15年の隔たりのある2つの出来事を、今日頭の中で比較してみて、とある日本人の非アジア的な発言と、青い瞳のウズベク人のまさにアジア的な発言を比較して、今の日本は本当にアジアなのかな?などと思いました。
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それにしても、私は8月のアシアナ航空で日本に帰る(一時帰国)予約をしていて(e-TICKETは3日以上たってるのにまだ届かない)、タシケントにいるのはあと3週間くらいなのに、家は退去しそうだわ、次の家を探さないといけないし、仕事は終わらない(夏休み返上で作業中)し、もうどうにかしてほしい。盆暮れ正月が一度に来てるんじゃないのかい。
(ちなみに、180ドルで借りれそうな家は3箇所くらい知ってるし、今の家は公共料金に40ドルもとられているので、当然、値上げには応じないつもりダス。)
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