成田に着いたとき、なんだか心細かった。タシケントに住んでいれば鬱陶しいとも思える、ウズベキスタンの人々の馴れ馴れしさだけれど、いざ成田についてしまって、誰も声をかけてこないし、誰も自分を見ないところに放り出されると、妙にウズベキスタンが懐かしくなってしまった。
タシケントにいるときは、成田でどんな日本食を食べてやろうかと色々想像を膨らませていたけれど、機内食で不味いものを二航路二回も食べたらお腹がいっぱいで、旅の疲れもあって結局、コンビニで缶コーヒーとシャケのおにぎりだけ買って食べた。日本人は電子系シャリーンとか、小銭をサッと出してすばやく買い物をしているのに、私はというと財布を使うのは久しぶりだし、財布はかばんの底のほうに念入りに仕舞ってあって、財布を出すのも金を出すのも手間取る。
携帯電話を一週間だけ使いたくて、SIMフリーの携帯は持っているので、SIMカードだけ欲しいのだけれど、AUとドコモは取り扱いが無いし、ソフトバンクは、「ソフトバンクのプリペイド用携帯電話をお持ちでない方にはお売りできません!」とにべもない。
それなら日本通信の使い捨てSIMかと思って調べていたら、日本通信もまた、1度購入したら5ヶ月使い切らないと違約金が10000円かかると注意書きが!もう、短期で使える電話のSIMは日本には無いらしい。
何年か前に、契約者の不明なプリペイド携帯が犯罪に使われるので販売を制限した経緯は知っているけれど、今はそれに加えて、MNPで他社から乗り換える顧客向けに携帯の販売価格が安くなることを利用して、契約の楽なプリペイド、短期契約のSIMを購入して、それを利用して他社にMNPで入るかたちで安く携帯を入手するという裏技?があるらしく、その対策として各社は、プリペイドや短期契約のSIMを販売したがらないということらしい。
悪用や、裏技的な利用があることで、携帯電話会社が抜け目なく色々と対策するのはわかるけど、そのせいで日本に旅行に来た人や、一時帰国する邦人がSIMカードも買えないで、法外な価格のレンタル携帯を使わざるを得ないというのは、複雑な気持ちだし、個人的には迷惑な話。外国人旅行者にも不評だと思う。
結局、今回は携帯電話をあきらめて、テレホンカードを買って公衆電話で済ますことにした。
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