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ウズベク語を話そうぜ!っていう若者たち

ウズベク語を話そうぜ!っていう若者たち

2012年のタシケントでは、若い男性に多いのだけれど、「ウズベキスタンだから、ウズベク語で話そうぜ」って言う人が結構いる。こっちに来てから、4~5回はそういう趣旨のことを言われたことがある。申し合わせたように同じような世代の同じような若者が、同じようなことを言うから、まるで合言葉みたいだ。

10年前のウズベキスタン

10年前、まだソ連の影響が強かったウズベキスタンでは、「外国人にはロシア語で話すもの」という共通認識があったと思う。ロシア系住民は多かったし、ロシア語は世界共通語という認識は、30代以上の人を中心に今でも少し残っている。こちらがウズベク語で話しても、ロシア語でしか話してくれない人は上の世代には多い。

でも、今の若い世代は違う。特にロシア語が苦手な若者を中心に、外国人にロシア語を話す必要も無いし、相手がウズベク語話者なら、ウズベク語で話してもいい、と思っている節がある。

外国人がウズベク語を話すだけで喜んでくれる若者

職場の22歳S君は、英語の勉強のために私には英語で話しかけてくるけれど、時々思い出したように、ウズベク語で話しかけてくれる。そういうときの彼は満面の笑みで、誇らしげだ。それに、たいていの街中の若者は、私が片言のウズベク語を話すだけで喜んでくれる。その子らの顔を見ていたら、自分の母語で外国人と話せるっていうことは、誇らしいことなんだろうな、と思えてきた。

母語の復権

独立前後に生まれている今の若者世代は、外国人にはロシア語を話しなさいという、ロシア化政策の影響を受けていない。「外国人にウズベク語で話してもいい」と思っている最初の世代なんじゃないか。それは、数十年ぶりの母語の復権とも言うべき晴れやかなことで、彼らの民族的なプライドも満たされるのだと思う。その表れが「ウズベク語で話そうぜ」っていう発言だったり、ロシア語離れみたいに見えている要因なのかなー。

ロシア系住民の立場

こうなると、ロシア語を母語とするロシア系住民の肩身が狭くなってくる。今でも、中年以上のロシア人はウズベク語で話したりはしないし、あくまでロシア語で通そうとするけれど、30代以下の世代で、タクシードライバーや商店をやっている人たちは、より柔軟になってきていて、こちらがウズベク語で話せばウズベク語で答えてくれるし、ウズベク語が得意なロシア人だってけっこういる。彼らも、ウズベク化しつつあるウズベキスタンで、ウズベク側にちゃんと歩み寄っている印象を、私は持ってる。

若者のロシア語離れ、と言われていることについて、これまでも色々なことを書いてきたけれど、私はあまり賢くないので、どれが正しいとも、間違いとも思えない。これからもこの件について考えたり書いたりしてゆくつもり。

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自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

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