ウズベキスタンを例に考えてみました。
世界ではAndroidがシェアを伸ばして、iPhoneのシェアを奪っているというのに、日本だけでiPhoneがシェアを伸ばし続けているのはなぜなのか、以前から不思議に思っていました。
ウズベキスタンでiPhoneが売れてない(※)理由は以下のみっつくらいかと思ってて、
・高いから買えない
数値的なスペックだけで比較すると、iPhoneの値段は高い。キャリアの優遇施策のせいで日本では表面上の値段が安そうに見えるけれど、たとえばウズベキスタンだとキャリアの優遇施策が無いので、16ギガモデルに800ドルくらいの値段がついている。
・クレジットカードを持ってないからアプリが買えない
Appleによる厳正な審査を経て提供されるAppStoreのアプリに比べて、Googleの提供するアプリは質より量、アプリの豊富さは圧倒的にアンドロイドが優位。と、一般に言われている。ウズベキスタンの現状を見ていると、クレジットカード決済しなくても有料アプリと同等の無料のアプリが手に入るという意味でアンドロイドが選択されているように見える。日本だとクレジットカードを使って有料アプリを購入するっていうのが普通に行われてるけど、ウズベキスタンではクレジットカードを持っている人が居ないので、欲しくても買えないから、iPhoneのユーザーはなんか裏の手段を使ってアプリを入手ないといけないらしい(あやしいバザールとか)。その点アンドロイドなら有料アプリと同等の無料のものがあるので、単に手に入る。
・SIMカードやケーブル、充電器が買えない
iPhone用のマイクロSIM,ナノSIMっていうのを発行しているキャリアが、ウズベキスタンでは限られていて、不便。また、充電器やケーブルも純正品を買う必要があるiPhoneに比べて、汎用品で賄えるアンドロイドが優位。日本は、あちこちにApple Storeがあるけど、途上国にはApple Storeが無いから、バザールでiPhoneの充電器を買うと精巧な偽者だったりする。
この国で、上のような問題点をクリアしてiPhoneを使っている人たちは、外国人を除いてやっぱり特権階級っていうことになるんだと思う。たとえば頻繁に海外に行けるような人や、普通の庶民には手に入らないクレジットカードを持っている人。そりゃー、iPhoneが過度にブランド化するのも理解できる。私のところのセンター長は、iPhoneを使う人を「高い金で見せびらかすためだけに電話を買う奴ら」と悪し様に罵るけど、上のような背景を考えるとiPhone批判というより、特権階級批判なんだろうな。庶民でも普通にiPhone使ってる日本人からしたら、iPhone使うことがそんなに問題?ってびっくりするでしょ。
ちなみに、センター長はアンドロイドのハイスペック端末ユーザー。彼はとことんスペックで比較する人だから、CPUの性能、ディスプレイのサイズ、電池容量と待ちうけ時間、等で厳正に比較して、HTC Oneを購入した。で、でっかいプロテクタをつけて使ってる。だから、スペック的に見劣りがするのに値段は高いiPhoneを使う理由は微塵も無いんでしょう。普段からとにかくストロングで、ハイパワーのものを選ぶ実用重視の彼らしいと思います。
私からすると、スマートフォンを選ぶポイントは単にスペックだけじゃなくて、ファッショナブルであるか、ポケットへの収まりがいいか、ユーザーインターフェイスは自分好みか、使ってみて不便を感じないか、っていう点も大事だと思うんだけど、それも先にあげた問題点(値段、クレジットカード、周辺機器の入手し易さ)をクリアしているからである。
※ちなみに、売れてないけど、不人気っていうわけじゃなくて、売れてないがゆえに人気がある。庶民は買いたくても手が出ないから、iPhoneは過度にブランド化されていて、iPhoneとかAppleのロゴをプリントしたグッズは異様にある、この国。iPhone5アイスクリームまである。
関連記事
それでも私がiPhoneを買う理由。
PR