http://globe.asahi.com/feature/article/2014041700005.html無料で読める部分の要旨はこんな感じ
・エストニアには「言語監督庁」、通称「言語警察」がいる
・エストニア語以外の言語の看板が目立つと指導される
・ソ連からの独立後、ロシア語しか話せない公務員に罰金などのペナルティを与えた
・エストニアの言語政策は、国民のすべてがエストニア語を話すこと
・しかし、40代後半以降のロシア系住民はロシアへの帰属意識が強い
ウズベキスタンと同じ旧ソ連のエストニアという国の言語政策について朝日新聞が記事にしていたので、興味深く読みました。エストニアでは、かなりエストニア語の使用を重視しているようです。ウズベキスタンでは、もちろんウズベク語が主要に話されていますが、エストニアとはだいぶ異なるなぁという感想です。
ウズベキスタンでも、公用語はウズベク語で、独立を機にロシア語は公用語から外れているようです。それでも実際には、幼稚園から義務教育、高等教育において、ウズベク語とロシア語の両方が選べるようになっています。
タシケント市街の看板に関しては、どちらかというとキリル文字で書かれたロシア語の看板のほうをよくみかけるので、ロシア語の看板がやんわりと取りしまわれているエストニアとは違います。
人の話す言葉に関しては、家庭内の言葉がロシア語ならロシア語、ウズ語ならウズ語ということになりますが、今はウズベク語の家庭の子息がロシア語の学校に通ったりもしているので、そのあたりははっきりとは分かれてないみたいです。
エストニアでは、40歳以上の世代がロシアへの帰属意識が強く、ロシア語しか話さない、とか、警察官や医師がロシア語しか話せない、といった問題があるようですが、タシケントでもそれは同じで、中年以降のロシア人ならロシア語しか話さないし、ロシア語しか通じない場所も以外と多いです(公的な機関、レストランなど)。ただ、ウズベキスタンではそれは許容されていることで、特に問題ではないです。
40歳以上のウズベク人については、普通の人はウズベク語を普通に話しますが、高等教育をロシア語で受けているせいか実はロシア語のほうが得意なんじゃないか、という人は多くいます。
若い世代のロシア人だと、帰属云々という感じじゃなくて、たぶんウズベク語も聞けば理解しているのでしょうが、殆どウズベク人がロシア語も理解するので、とくにウズベク語を話す必要性が無いのかも。
私は一貫して、ロシア人住民の多い新市街の集合住宅に住んでいるせいか、普段はロシア語のほうが多く耳にするし、ロシア人とアジア人の子供がロシア語で遊んでいるような場面も多く見かけるので、意外とタシケント出身の若者だとロシア語人口のほうが多いんじゃない?と思うこともあります。職場で、ウズベク人の生徒が生徒同士だとロシア語で話しているのに、先生とはウズベク語で話しているような場面も見かけます。
エストニア人の若い世代のロシア語力が低く、そのせいで就職等が困難になるということも書いてありましたが、その点も同じで、多民族都市のタシケント人でもウズベク語学校で育った子供はロシア語が苦手で、社会に出てからロシア語が必要になって困ったり、就職自体が難しくなったりという話も聞きます。
総合すると、今のタシケントではどうもウズベク語よりロシア語のほうが地位が高くて、ロシア人がウズベクにあわせるのではなくて、ウズベク人がロシア語にあわせるようになってるような印象です。
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