沈黙Silenceを見て、予告編にもありますがマカオで落ち合った神父ロドリゲスと神父ヴァリニャーノが歩く白い階段はここじゃないかと思います。
映像で見たときになんだか記憶の隅にあるような気がして、気になって昔の写真を探していたら見つけました。マカオの聖ポール天主堂だそうです。
沈黙Silenceは、当初キリスト教と日本の歴史を知りたくて、そういう映画だと思って劇場に足を運びましたが、まるで映画そのものが宗教体験のような、非常に忘れられない映画でした。
キリスト教に限った話ではなく、信じるものとその犠牲のどちらをとるか、という普遍的な人間の物語だと思いました。
Andrew Garfieldは、若く現代的すぎてこの映画には不向きなんじゃないのかと思いましたが、逆に若くて無垢な感じがこの役にぴったり、無垢な人が苦悩するさまをよく演技していました。Adam Driverもせっかちな神父の役でいい演技をしていました。
予告編を見てもっと"どすん"と沈むような体験を想像していましたが、各所で絶賛されるイッセー尾形や、片桐はいりさんのコミカルな演技が一服の救いとなっており、とくにイッセー尾形演じる井上様がまったくの悪人ではなく、人間らしさを感じられるキャラクターであったことがよかったです。
この映画、まったく米国ではウケないだろうと思います。もしも米国のハリウッドえいが だとしたら、悪人の井上様が最終的に裁きを受けて、善人に復讐されてThe Endみたいになりそうなところですが、そうはならない、まったくの悪人がいないところが良かったです。ほとんど道楽みたいに映画を撮ってるスコセッシ監督がかっこいいです。
それにしても米国人のスコセッシ監督が、台湾で撮影した映画なのに、あれほど忠実に日本の風景と日本人のありさま(姿、心情などふくめ)を再現できたことが驚異的です。原作を読み込んだだけであそこまでの再現をできるでしょうか。驚異です。
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