BeyonceのLemonadeはまあ、あって当然といったところですが、妹のほうもきちんと収録?格納?されていて、今回の旅でおもに聞いていました。Lemonadeはグラミー賞をもう少しで受賞したというモンスターアルバムですが、SolangeのA Seat at the Tableは、じつは少なからずの批評家が姉のモンスターアルバムより高い評価をしていて、もちろん軒並み2016年のベスト100アルバムに選ばれています。
Michael Jacksonもありきたりなベストアルバムではなく、Off The Wallのオリジナルが入っていたり、Zaynのデビュー作に至っては私が所有しているCDには入っていない、ボーナストラックが入ったバージョンが収録されていたりと(なぜなんでしょう!?)、的を射たセレクションにびっくりしてしまいました。
A Seat at the TableとLemonadeはいずれも2016年にリリースされています。世相を反映してかどちらも重く不穏な表情をもつ音楽です。多くの批評家がレビューをしているので詳しくは読んでいただくとして、黒人青年射殺事件やそれに応じたBlack Lives Matter運動、そしてヒラリーの敗北と、黒人女性であることに深く向き合ったような2作、とくに示し合わせてそうなったわけではないでしょうね。男は攻撃的で直接的な表現をしますが、この2作はまるで逆に、内向的で、自分の内なる水に沈んでいくような音楽だと思います。偶然にもFormationのビデオではBeyonceは空のプールで踊り、ラストでは水に沈んでゆきます。Dont Touch My Hairのビデオでも、Solangeはプールを舞台にしていました。