マレーシア航空の機内エンタメ

今回マレーシア航空のビジネスクラスに乗ってみて、食事や機内サービスも良かったのですが、一番魅了されたのが機内エンタメでした！。




機内エンタメなのでエコノミークラスでも共通で恩恵を受けられるサービスです。

映画の取り揃えは他社と比べて特に良いというものでもなかったのですが、英・米の音楽の取り揃えが非常に豊富でした。

わたしの好きなジャンル、R&Bやソウルミュージックの取り揃えは、定番作品から最新の注目作までかなり密に網羅されていて、玄人好みという印象を受けました。きちんとした英語圏のコーディネーターが選択しているんだろうなと思わせるものです。これに比べるとカタール航空とか大韓の音楽の取り揃えなんておまけみたいなもの。


BeyonceのLemonadeはまあ、あって当然といったところですが、妹のほうもきちんと収録？格納？されていて、今回の旅でおもに聞いていました。Lemonadeはグラミー賞をもう少しで受賞したというモンスターアルバムですが、SolangeのA Seat at the Tableは、じつは少なからずの批評家が姉のモンスターアルバムより高い評価をしていて、もちろん軒並み2016年のベスト100アルバムに選ばれています。


このパフォーマンス、感嘆。

この、ちょっと玄人好みで日本ではあまり知られていない傑作がまさか機内で聴けるとはおもわず、嬉しい驚き。


ほかにも、MaxwellやCraig Davidの最近作が収録されていたり、Khalifaとかgabriel garzon-montanoといった2017年の注目作も外していないところ、おもわず唸りました。


私の興味外のジャンルでもかなり豊富に取り揃えられていたようなので、音楽好きの人はマレーシア航空の機内エンタメに満足するのではないでしょうか。

Michael Jacksonもありきたりなベストアルバムではなく、Off The Wallのオリジナルが入っていたり、Zaynのデビュー作に至っては私が所有しているCDには入っていない、ボーナストラックが入ったバージョンが収録されていたりと（なぜなんでしょう！？）、的を射たセレクションにびっくりしてしまいました。

#13 Blue は私のCDに入ってない！

で、行きはずっとSolangeを聞きながらゆき、あまりに良い出来に目的地のバンコクでCDを購入しました。姉は本当にエンターテイナーで大衆を扇動する感じがあるけれど、妹のほうはもっと求道者のような、祈りのような音楽だという感想。これまではまああのベイの妹、という認識しかなかったので、こんなに凝り性で芸術家肌なミュージシャンとは認識していませんでした。

A Seat at the TableとLemonadeはいずれも2016年にリリースされています。世相を反映してかどちらも重く不穏な表情をもつ音楽です。多くの批評家がレビューをしているので詳しくは読んでいただくとして、黒人青年射殺事件やそれに応じたBlack Lives Matter運動、そしてヒラリーの敗北と、黒人女性であることに深く向き合ったような2作、とくに示し合わせてそうなったわけではないでしょうね。男は攻撃的で直接的な表現をしますが、この2作はまるで逆に、内向的で、自分の内なる水に沈んでいくような音楽だと思います。偶然にもFormationのビデオではBeyonceは空のプールで踊り、ラストでは水に沈んでゆきます。Dont Touch My Hairのビデオでも、Solangeはプールを舞台にしていました。

ただ方法はいかにも大プロジェクト然とした姉のアルバムと比べて、妹のほうは少人数のミュージシャンが個人的な環境で、時間をかけて紡いだような、希少感があると思います。

映画も、ちなみに、グランドブダペストホテルがあったので、また観ました。いい映画。


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