8.1.2013
朝、出勤しようとすると、住宅の階段に不審な見知らぬ女性が座りこんでいた。私の姿を見ると、すごい勢いで独り言を言い始めて、すぐにちょっと知的障害がありそうなのがわかった。年のころは50代くらいで、若い頃は美人だったんだろうと思う整った顔立ち。片手にチラシの束、片手に"真っ赤なドクロをかたどった灰皿"を持っていた。
何やら私に話しかけていて、でもよくわからなかった。私がエレベーターに乗ると一緒に乗り込んできて、ボールペンで何やらびっしりと書き込みのしてあるチラシを見せて、これを読んでほしいという。私が外人だとわかると片言の英語で、「レインは雨(ドージ)、それならレイは何?レイはロシア語で何?」と聞いてきた。
「わかりませんし、私には時間が無いのです(ウ・ミニャ・ニェトブレーメニ)」と言っても、離してくれなくて、しかたなく外へ歩き出すと、小走りで追いかけてきて、さらに別の紙切れ(これも、びっしりと書き込みがしてある)を見せて、これは何?これは何?と聞いてくる。
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学校へ出勤すると玄関に男性の先生の訃報が貼り出してあった。こちらでは、顔写真付きの訃報が玄関の扉に貼り出されるみたい。写真を見る限り、まだ若くて40代、行ってても50代くらいだと思う。先日、別の先生も50代で亡くなっており、男性の平均寿命が短い社会って、こうして現役のまま世を去ってゆく人がいるってことなんだなぁ、などと思った。
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朝の女性も、亡くなった先生も、50代くらいなのだけれど、ウズベキスタンの50代というと、30代の頃にソ連の崩壊を経験して、社会人として個性を確立した後に180度違った社会になることを経験した人たちで、相当のストレスだったんだろうなぁ、などと思いました。
今、22歳くらいまでの人たちは、生まれたときからウズベキスタン共和国で、ソ連時代を意識することなんて殆ど無いんだろう。すごく屈託が無くて、ロシア語が下手で、まぶしく健康的な子たちばっかりだ。
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