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続・ウズベク語で話そうぜ

(ウズベク語を話そうぜ はこちら)

近所のマガジン(ウズベク版コンビニだ)へタバコを買いにいくと、いつもの青年がいた。いつものように「Yaxshi misiz?(元気か?)」と聞かれ、「Otlichno(上々だよ)」と答えると、「アトリーチナじゃない!ズールと言うんだ!」と怒られた。

アトリーチナはロシア語、ズールはウズベク語で、どちらも上々という意味になるけれど、そう、彼は私がタシケントに来た当初から、外国人である私がウズベク語を話すのを特に喜んでくれるいいやつなのだった。彼と知り合ったのはここに越してきた当初なので、もう9ヶ月くらいの付き合いになる。知り合った初期も、「ウズベキスタンではウズベク語を話せよな」と言っていた。

私は日本のJICAでウズベク語を教えてもらってから来ウしたけれど、結局、環境や同僚を勘案した結果、自分の判断でこの街ではロシア語を使うことを決めて、今は殆どロシア語で生活している。たった二ヶ月で詰め込まれたウズベク語なんて、あっさり忘れてしまうってもんだ。

そうすると、たまにウズベク人にはウケが悪い。今回のようにうっかり放ったロシア語をわざわざウズベク語に訂正されることになる。

たしかに、独立以降ロシア語は公用語でさえなくなって、ウズベク語が唯一の公用語のはずだ。でも、多くのタシケントの若者はロシア語学校に通っているし、30代より上の人々の認識はいまでも、オフィシャルなのはロシア語で、母語はウズベク語。

そんななかで、冒頭の若い彼が、ウズベク語にこだわるのは、ナショナリズムの台頭と呼ばれるような怖いムーブメントだろうか?否。彼はロシア語がうまく話せないことにきっとコンプレックスを持っているので、ひがみ半分、後の半分は外国人が自分のマザータン(母語)を尊重してくれることに対する喜びだろう。(それに、彼はべつに、ロシア語が話せないわけじゃない。ちゃんと自分のショップキーパーの職務をこなすだけのロシア語力はある。でも使いたがらない)

別れ際にもう一度言われた。「よお、俺とはウズベク語で話すよな?」

いいぜ。ウズベク語で話そうじゃないか。

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自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

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