2020年に東京オリンピックが決まりました。まだ先の話ですが、東京に世界中から人が来るなんて、わくわくしますね。時間があったらガイドとか案内のボランティアでもしてみたいと思ってます。
ところで、世界中から旅行者を受け入れるにあたって、なんで日本には無いんだろう?と思っていたものについて書きます。
それは、旅行者が使える使い捨ての携帯電話のSIMカード(データ通信と通話ができるもの)。
SIMフリーのスマートフォンを海外に持っていって、現地のSIMで通話やデータ通信をするっていう使い方はもう説明するまでもなく、ポピュラーだと思います。私自身、SIMフリーのiPhoneをずっと持ち歩いていて、台湾では一週間SIMというのを1500円くらいで買って使いましたし、中国でもSIMを買いました。今はウズベキスタンのBeelineというSIMを買って使っています。
ところが先日日本に帰ったときに、日本では他の国のように簡単にSIMが買えないことに改めて気づきました。
日本では、
-短期間使うSIMが買えない
-Wi-Fiが無い&あっても契約が必要なので使いやすくない
-公衆電話が極端に無い
のです。
日本は確かにおもてなしの国ですが、電話や通信に関しては全然おもてなしできてませんね。
<旅行者がしたいこと>
せっかく極東まで長時間飛行機に乗ってきたならば、風景を写真に撮ってSNSにShareしたり、リアルタイムで旅の感想をTweetしたりするでしょう。また、不慣れな土地で、インターネットの地図(Google Mapとか)と自分自身の現在地がわかるGPSは何より心強いものです。後述しますが、電話が使えることも思ったより重要です。
<日本でSIMカードを買うには>
SIMが必要なら携帯会社に買いに行けばいいんじゃないの?と思いますが、日本の携帯会社のプランって、長期に利用することを前提としていて、短期に使う想定がされてないみたいで、たった1週間使いたいだけなのに、しっかり身分証を見せて、契約手数料3000円、基本料金2000円、データ使い放題6000円(合計11000円くらい)を払わないといけません。加えて契約によっては解約に違約金が1万円かかったりして、さらに購入の際に英語が通じるわけじゃないし、日本語でプランの説明をされて・・・と外国人にはハードルが高すぎるですね。
これまでは、日本通信(Bmobile)という会社が、ほぼ使い捨てのプランを出していたのですが、最近になって、5ヶ月以内に解約する場合は違約金をとる、という風になったらしく、これでは短期で使えなくなってしまいました。
同じ日本通信(Bmobile)に、海外旅行者向けの4000円くらいのデータSIMがありますが、これはデータ量の上限が少なすぎる(1ギガ)のと、データ通信専用で通話不可なのがネックです。私なら選択しない選択肢です。
ソフトバンクには、プリペイド携帯電話がありますが、先日成田空港で購入しようとしたところ、「ソフトバンクのプリペイドプランはソフトバンクのプリペイド携帯電話機をお持ちの方にしかお売りできないんです」とけんもほろろの対応でした。ソフトバンクのプリペイド携帯電話機なんて、見たこともないし、誰が持ってるの?って思います。なお、カウンターの女性の対応はひどく高慢で、不愉快でした。
<成田空港で提供されているサービスは全然いまどきじゃない>
成田空港で提供されているサービスは、ちょっといまどきじゃありませんでした。通話しかできないレンタル携帯に一日1000円くらいの値段が付いていました。いかにもビジネスの客が、大事な電話を受ける・かけるためのもので、会社の経費で落とすような値段なのです。
Wi-Fiモバイルルーターもあったかもしれないけれど、それも1000円/日など払って、データ通信しかできないのでは、ちょっと。
その価格設定は、観光でやってきて、遊びでSNSに写真をShareしたり、Tweetしたりする値段じゃないんです。
<Wifiやデータだけじゃ駄目なわけ>
おそらく五輪の会場にはフリーのWifiが整備されるのでしょうが(そう願っていますが!)、五輪のために日本に来る外国人が会場とホテルの往復をするだけ、のはずは無いです。会場だけで使えても意味がなくて、もっと街中で道に迷っているときに通信できて、地図を見れたりするのがスマートフォンの良いところでしょう?リアルタイムでその場で情報発信できるのがいまどきのSNSでしょう?もともと少ないWifiスポットだけで使えてもあまり意味がないのです。
データ通信SIMだけだと物足りないのは、私自身海外で電話が必要になることが多いからです。航空会社の現地オフィスに航空券の件で電話をするとか、ホテルやタクシーに電話するとか、現地の友達と落ち合うとか、旅行者も電話が必要になることが多々あります。しかし、東京には公衆電話が無さ過ぎる!8月に日本に行った時には、あまりにも公衆電話を探し疲れました。公衆電話の場所を聞いたら、公衆トイレの場所を教えてもらったことさえあります。(ついでですが、1回の通話のためにテレホンカードを買うのも不経済)
だから、通話とデータ通信が両方ついたSIMじゃないと意味がないのです。
<どうして日本では短期SIMが買えないのか>
実は、どうして日本でそういうことになっているのか、うっすら知っています。2つあります。
1つ、昔、日本の携帯会社がまだプリペイドプランを販売していた頃に、身分確認が甘く、使い捨てできるSIMが犯罪に悪用されたことがありました。それであわくって、確か法的に規制されて、プリペイド携帯というのが簡単に販売できなくなったのです。
2つ目は、最近のMNP優遇施策です。他社から自社にMNPしてくる場合に携帯電話の価格が安くなることを逆手にとって、簡単に買える短期SIMを買ってすぐに、望みのキャリアにMNPすることで安く携帯を手に入れるということをする人が増えて、B-mobileの最近の規約改正はこういうのの対策だと考えています。
それにしたって、目の前の問題に急いで対策した結果、別の不便が生まれてしまったということで、あまり良いこととは思いません。せめて観光ビザを持っている旅行者にかぎって「まっとうな」価格の使い捨てSIMを販売できないものでしょうか。
<2020年までに実現してほしい>
観光ビザを持っている人には、5000円/2週間程度、データ通信と通話ができるSIMカード単体での販売があればとても良いですね。事前にWEBで申し込んで成田空港で引渡しとか、成田空港のカウンターで即時販売していればなお良いと思います。
台湾とか中国とか、(たぶんもっと他の国でも)普通に(もっと安価に)できていることが、なぜか日本ではできないのは、不思議に思います。
さいごに、私の知らない良い方法がいろいろあるのかも知れません。ここが間違ってるとか、こんなのある、という情報がありましたら、指摘して下さい。
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