タシケントで今年もICT Summitが開催されました。
ウズベキスタンは今、(他の新興国も同じかと思いますが)E-government等行政のIT化や、民間の情報通信の促進をはかっており、年に一度行政関連や民間のIT企業などが集まって、ICT Summitというイベントを開催しています。
今年は私も、勤務先の学校として1コマもらっており、私のやっているプロジェクトを発表する講演をしました。
一日中、Summitに参加してみた感想ですが、意外とぜーんぶロシア語で行われていたのが印象的でした。
看板は、ウズベク語で書かれているのだけれど、プログラムはロシア語オンリーで、実際のセッションにおいては、講演をするのも聴衆も殆どロシア人か高麗系などのロシア語ユーザーで、開会式から通してウズベク語の発表を結局見ませんでした。
国際的な会議のため、CISの他の国からの来客が多いとか、そういった理由はあるのでしょうが、国の公用語がウズベク語とはいえ、IT業界に関してはやっぱりロシア語が共通語なのだなぁと痛感しました。
なんでこうなっているのかというと、
1)もともとロシア系の多い業界だから多数派のロシア語話者にあわせる感じになっている
2)ロシア語でしか発表が行われないから実質ロシア語のわからない人が締め出されている
の2つの理由が考えられ、どちらも正解なのだろうと思っています。
1)もともとロシア系の多い業界だから多数派のロシア語話者にあわせる感じになっている
プログラマーとか技術者に会うことが多いですが、バリバリやってる人はだいたいロシア人か、ロシア語を母語とする人であることが多いです。インターネット業界はインターネットから情報を得ることが多く、インターネット上で情報の乏しいウズベク語よりロシア語を使う人のほうが、多くの情報に触れることができるし、もともと勉強するための文献も殆どがロシア語で書かれている。それに、ロシア人はよく本を読んで勉強熱心な人が多い。
2)ロシア語でしか発表が行われないから実質ロシア語のわからない人が締め出されている
発表がロシア語でしか行われないなら、ロシア語のわかる人しか来ないはずで、実際開会式には相当数のウズベク人がいたのに、実際の実務的なセッションの場は9割がたロシア人でした。ウズベク人の多くは開会式だけ出て、お土産もってかえってしまったのかな。
メイン会場と3箇所のサブ会場には、私のような外国人の発表者のために同時通訳ブースがあって、ちゃんと通訳を聞くヘッドホンも配布されているのだけれど、ロシア語をウズベク語に訳したり、その逆は行われていないのです。
これは、大きな問題なんじゃないかと思うことがあって、私の職場のエンジニアの中で若い独立後世代の3-4名はロシア語が殆どわからないので、そういった場所に行っても何も情報が得られないのです。
公用語がウズベク語で、看板はウズベク語で書かれているのに、実質的にはロシア語しか使われない国際会議っていうのもなんだか異質な感じがしてしまいました。IT業界で働くならロシア語を理解しろ、っていうことですよね。だったら公用語の地位ってなんなの?って思ったり。
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