「プロフェッションがある人」ってどんな人でしょう。私のイメージでは、大学を出て、専攻の分野で就職をして、その業界で50歳くらいまで勤めあげた人が、じつにプロフェッションがあると思います。実際にはそういう人は一部の人です。
私がプロフェッションをはじめて意識したのは19歳くらいの頃、途上国に住んでいたとき、あまりにも無知で何もできない自分に愕然としたときです。その頃から、自分にはきちんとした専門性が必要、とずっと思っています。
私は30代の間通信業界で働いていましたが、大卒で、新卒で入ったまま技術畑一筋という人たちがいました。彼らのナレッジは非常に豊富で、中途で業界に入った私とは比べ物にならなかったのを覚えています。
一方で私は、高校を出て海外に家出旅行して、20代で帰国したのに正社員にはなれず、前述したプロフェッショナルたちとはスタートラインが全然違いました。さすがに途中で気がついて、20代後半くらいのときに自分は情報通信分野のプロになる、と決めました。それから結構がんばって資格を取ったり、30歳で通信会社に転職して、希望通りになりました。
ただ、やっぱり技術畑でやってきた人とは全然格が違っていたし、周囲の本当にITが好きな、ITオタクの人たち、プログラマーを見るにつけ自分は頑張っても敵わないな・・と思いました。それは今でもそう思っています。
ただ、前述したプロフェッショナル以外の、そうじゃない普通の人はどうするの?プロフェッション無くてもいいの?というと、そういうことではなくて、誰もなにかしらの専門でなくてはならないと思っています。そういうわけで、一応「エンジニアです」と名乗っています。
私の実際の仕事は、エンジニアというよりユーザーサポート寄りでしたが、技術の勉強をしたバックグラウンドはとても役に立っていましたし、それが無ければなかなか八年もこなせなかった仕事だと思います。だから、私はとても有能なエンジニアではないけれど、技術をベースとした営業とかユーザーサポートが得意というプロフェッションはある、と自分で納得しています。
実は最近、今後の生き方を考えるうえで、どうせはじめから専門家じゃないのだし、他の人に比べるとIT大好きってワケでもないので、40代できっぱり専門を変えてしまおうかと思ったりもするのですが、一般的には途中で方向転換をするのは良いこととされていないので、まだ考え中です。
PR