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ロシア語離れについて(続)

26.11.2012

若者のロシア語離れは起きているのかを調査するシリーズ

前半はこのエントリーなどをごらんください。
http://iyamat.blog.shinobi.jp/Entry/440/

ウズベキスタンの大学には、露語で学べるユーロコースと、ウズ語で学べるナショナルコースが併設されている。で、若者の露語離れが起きている、と言われている割には身の回りにはユーロコース受講者(と受講予定者)が多いことが気になっていた。で、丁度同僚には高等教育の専門家がいたり、そもそも勤務先が大学なので、露語離れについて調べてみようとおもっていた昨今。

ユーロコース選択者は増えている

私「ユーロコース受講者ってこの20年で減少しているんですか?」
専門家「まさか、増えてるよ。人々だって、露語を学ぶアドバンテージをよく理解しているから。高等教育も期待できるし、留学や就業に有利だろ」

やっぱり、ユーロコース就学者は増えているし、露語離れっていう状況ではない様子。

若者のロシア語レベルの低下なのか

専門家「でも問題があるとすれば、若者が正しい露語もウズベク語も書けないってことだよ!俺がなんで事務員のスペル間違いを直すような仕事をしないといけないんだ」
私「なんで書けないのかな?読書しないから?」
専門家「SNSと携帯電話だろう」

はぁ、なるほど。ロシア語離れというより、ロシア語レベルの低下というべき事態なのかもね。若者は、ロシア語圏のFacebookにあたるようなVKontaktや、Mail.ruポータルのМой мир あるいはメッセージングサービスのАгентで、せっせと"ソーシャルネットワーク"してる。携帯電話でラテン語表記のロシア語でメッセージを送りあったり、短文中心の生活をしていると、そりゃ書けなくもなるかも知れない。

それに、ソ連時代に比べてロシア系住人のパーセンテージはぐっと少なくなったタシケントで、正しいロシア語を話す人々と接する機会も少なくなっているはず。

日本はどうだろう

ソーシャルネットや携帯電話の普及については、日本も同じ状況だ。日本でも、Eメールが形式ばった文書に取って代わり、Twitterの普及でどんどん通信文が短文になってきて、インターネットの普及でネットヴォキャブラリーとも言うべき、今まで無かった表現が普及してきた。そういうことを、言語レベルの低下→ロシア語離れ、って言ってる人たちがいるのかな。(最近の若者の日本語が乱れている、というおじさんは日本にもいる)。

若者はどうやって言語を習得するか

私自身、友達と話すような砕けた日本語じゃなくて、きちんとした日本語を使うようになったのは、書籍やテレビ等の影響ではなくて、たぶん30歳くらいで、業務メールっていうのを書くようになって、身の回りの年上の社員さんたちが話すのを聞くようになってからだと思う。あとは、昔の良質の映画(市川昆とかね)の影響かな。

どうしたら良くなるんだろう

結局、仕事の場で、良質の言葉をよく読む、よく書くことが、言語の質の向上に繋がると思うのだけれど、タシケント人のタシケント弁は、ロシア語とウズベク語の絶妙なブランドだったりするので、まずは大人の人たちがそういうところから変えていかないと、若者たちの言語状況も良くならないような気がします。ま、変える必要があるのなら、ってところだけど。

結局ロシア語離れって何?

看板や出版物では、ロシア語交じりのウズ語ではなくて、意識的にウズベク語を使いましょうっていう政府の方針があると聞いたことがあるので、そういうのを勘違いしている人たちが一部いて、ウズベク語も増えてきた→ロシア語離れって言われているような気がする。若者に起きているのは、実際にはロシア語離れじゃなくて、ラテン語への置き換え政策、ロシア人人口の減少やインターネットの普及に伴う「言語の乱れ」とか「ロシア語のレベル低下」で、ロシア語で学習する若者が減少しているわけではない。これで、自分的にはひとまず、納得。

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自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

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