10/30
朝から天気の良かった日曜日。暖かそうなのでTシャツで外出した。今日は豫園にゆきます。上海といえば豫園。南京東路駅から10号線でひと駅乗る。それにしても、地上の景観をなるべく壊さないように地下に張り巡らした地下鉄網、事故があったりもするけれど、素晴らしいと思う。昔ながらの上海を壊さずに建設されたところが偉い。豫園の駅で降りたらすでにすごい人波。これはスリも怖いし、あまりのんびりできないのかも。豫園は主要な通りを通り過ぎただけで早々に退散した。青空京劇をやっていて老若男女が見入ってた風景だけは印象的だった。
豫園を出て外灘方面に歩いてゆくことにした。この辺りは、高層ビルも建ってなくて非常に中国らしい街並みが残されている。観光地ということもあるのだろうけど、なるべく残しておいて欲しい風景。外灘に出るとこちらも人出が多い。観光客も上海人も外灘に集ってるんだね。夕日を受けて黄金に光るプートンのビル街が、水面に映えてそれは美しかった。時折目の前を通り過ぎるレトロなぽんぽん船とプートンエリアの不思議なコントラストも良い。
ぶらぶら歩いて人民広場まで。福州路をずっと西へゆくと人民広場まで歩けるってこと気づいてなかった。
人民広場で夕暮れを撮影していると、身なりのちゃんとした中国人の若者グループが中国語で話しかけてきた。カメラを差し出して写真を撮ってほしいと言う。二~三枚の写真を撮ってやると、親しげに話しかけてきた。曰く北京で外国語を勉強してる学生だが休みで上海まで観光に来たとのこと。日本のこともよく知っていて、英語と中国語を混ぜて20分くらい話をして楽しかった。彼らが、これからお茶を飲みにいくからよかったら一緒に行かないかと誘って来たときは暇だったのでOKした。一緒に雑居ビルの二階にある小部屋に通されて、そこでチャイナドレスを着た美人が10種類くらいの中国茶の試飲をさせてくれた。学生たちは楽しげに仲間内で冗談を言い合ったりして、私もそんな彼らの写真を撮ったり冗談に応じて歌を歌ったりしていた。
最後に会計の段になって、2400元だかの伝票が来て驚いた。2400元といったら300ドルだけど、このお茶の試飲でこんなに請求されるの、おかしくない?と、学生の年長者に聞いたけど、まあ、こんなもんだよね、みたいな反応だった。もしかしたら、詐欺にあったのかも、と初めて思った。年長者は、中国では年長者が払うことになってるから、ここは俺とお前で割り勘にしたいんだけど、と言ったんだけど、それは無いよ、今500元しか持ってないし、と渋って、クレジットカードも使えるけど、と言われたのも無視して、とりあえず時間を引き延ばす。さっき女の子たちが買ったお土産のお茶は私が払う義理は無いからそれは引いてもらって、それ以外を六人で割り勘にするなら払うよ?と言って、まあ300元くらいなら払ってもいい。結局、私が500元、年長の学生が1000元、残りを四人で割り勘にすることになった。
それぞれが、ちゃんと現金を払って、いやに金離れが良かったので、まだ騙されてる感じはなくて、もしかしたら今時の北京の学生の浪費ってこのくらいなのかも…と思いつつ、店を出た。店を出る段階でも色違いのアクセサリーを人数分くれたり、女の子の一人が知り合いになった記念にわたしのポケットマネーで買ったからと、綺麗な化粧箱に入ったお茶の包をよこして、それは流石に拒否したけど無理やり手に握らせてくれた。別れ際に飯に行くけど一緒に行こうと言われたけど、どうもやっぱり腑に落ちないのでそれは断って部屋に戻って、「上海 茶 詐欺」みたいなキーワードで検索してみると、出るわ出るわ、同じような体験談が山程出てきて、やっと詐欺だったんだと確信した。思い返しても、彼らの演技力はたいしたもので、悔しかったけど反面敵ながらあっぱれ、とも思った。痛い上海体験だった。
現場写真…。おはずかしい。
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