今日は学内の、学生の論文発表会が行われた。日本語を勉強している縁で仲良くしているAzizさんも、今日発表するので見て欲しいとわざわざ連絡をもらい、少し早めに出勤した。
前半は上級生による論文の発表。5名中、1名がウズベク語、3名が英語、1名がフランス語で学術的な内容のプレゼンをした。皆さん流暢。そしてパワポテクも高い。私はなんというか、ひどく感銘を受けた。彼らは医大生で、語学が専門ではないはずだけれど、当然のようにウズベク語もロシア語も話すうえに、英語やらフランス語やらドイツ語やらを話す。そして論文発表までやってしまうとは、レベルが高い。語学は、通常の医大のカリキュラムには入ってないはずなのでそれぞれプライベートで教師を付けたり、塾に通ったりして習得しているのだろうと思う。
後半は下級生たちによる発表で、こちらはさすがに母語のロシア語かウズベク語の発表が多かったけれど、皆堂々とした立派な発表をした。直前までひどく緊張して「ワタシはシンパイ(緊張)しています、シンパイしないでくださいアジズさん」と独り言を言っていたAzizさんも、本番に強く立派に5分ほどの発表をした。
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この国の大学生たちはこうやって人前で発表する機会を多く設けられているようだ。いや、大学生だけじゃなくて大人になってもなにかとプレゼンテーションをさせられる。かくいう私もあれよあれよと、着任してから3回か4回はプレゼンテーションを任された。きっと、場所を綺麗にセッティングして花を飾り、発表会みたいな催し物を開催するのは好きなお国柄なんじゃないかと思う。
私は医学の世界は特に知らないのでなんともいえないのだけれど、コンピューターのエンジニアみたいな仕事は実務経験が9割なので、情報処理なんて全然大学で学ぶようなものじゃない。教室で学んだり、論文を発表したりしなくていいから、とにかくコマンドを打ったり、機械をいじったり、プログラムを書いたりするのが最良だ。
この国に限らず、新興国では学歴が大変重視される。ちゃんとした学歴がないと、口をきいてもらえない社会も多くあると聞いている。この国の若者たちも、分野に限らず大学へ行き、さらに修士を修め、さぞ外国語やプレゼンや論文が得意になるんだろうと思うけれど、それが実務スキルに直結するんだろうか、ってことだけは少しひっかかる。
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