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『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』感想その1

『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

を読んだ感想。

(書籍の内容に触れているので未読の方は読まないほうが良いです)

はじめ、このアーニャさんという人に結構同情的で、米原さんがどうしてそんなに憤ったのか理解できなかったのです。でも、それはタイトルの「嘘つき」っていうところに引っ張られていたんだな、と二回目に読んで思いました。

「黄色いノートの嘘」に関しては、あとでアーニャの兄との会話の中で種明かしがされるので、理由ある噓だったとして、再会後にルーマニア人であることを「無かったこと」にして、自分のルーツは90%イギリス人である、と主張するくだりでは、こういう人はいるものだ、と思いました。

人生を通して信念を貫く人もいれば、自分の環境を信念にしてしまう人もいて、私自身はどちらかというと後者であるし、アーニャもきっとそういうタイプなのだろうと思ったから。

でもなんとなく腑に落ちなくて、今日再度読み直してみたら、米原さんが憤ったのは、アーニャが信念を変えたからではなくて、あまりにも祖国に対する思いをなくしている、っていう点なんだってことに気づいた。

主人公はルーマニアで、暖房が炊けずに廃墟から薪を集める親子を見て、胸を痛める。一方で、政府の官僚としての特権階級に属するアーニャは、特例で外国に出て、外国人と結婚して裕福な暮らしをしている。その事実を見ないようにしているし、無かったことにしているアーニャに対する憤りを覚える。

それでも、やっぱり私はアーニャを責める気にはなれなかった。なぜなら、自分が今いる境遇を否定せずに、境遇を受け入れて信念を境遇に合わせようとすると、アーニャみたいにならざるを得ないのかも知れないし、それで社会的にも成功しているのならば、それも人生かな、とも思う。人によっては、運だって才能のうち、なんて言う人もいるのだし。かりに、ルーマニアの民衆を見て胸が痛まないの?といわれても、痛んだところでどうしたらいいの?と思うかも知れない。

でも、ティーンの頃からの幼馴染がそんな態度を見せているときに、何か言ってやりたい気持ちになってしまうのも、すごくわかる。

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自閉な子供→ヒッピー→フリーター→IT会社員→ウズベキスタンで協力隊→無職→近所に就職。今後はたくさん旅をします。ときどき音楽の話題も。

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