(これは友達の男、本分とは関係ありません)ちょっと時間が経ってしまって、いまさらなのだけれど友達がタシケントに来てくれたときのことを書き始めます。
タシケントは、旅行者は割とスルーしがちな街らしくて、ウズベキスタンに来たらすぐにサマルカンド!ブハラ!へ移動してしまう人が多いです。
しかし、そこは首都なので寛げるお店は当然タシケントのほうが多いし、物も手に入るし、インフラだってちゃんとしてる。それに、観光資源だってわりとたくさんあります。イスラム建築ならハスティイモムやコクチャ、シャイハンタウル、教会ならガスピタンのロシア正教、日本大使館の近くのギリシャ正教会、それと、帝政ロシア時代からの建築物は見る価値あると思います。ソ連風の団地は町のあちこちにありますが、側面にイスラム様の装飾がしてあることが多く、そういうのも異国情緒があって私は好きです。公園は、人によって好き嫌いがあるかも知れませんんが、日本庭園に行ってみたら花嫁と花婿のフォトセッションラッシュで、すごい数の新婚カップルがウエディングドレスを着て練り歩いているものだから、なんだか友達と二人で大笑いしてしまいました。
友達(日本人女性)と二人で歩いていると、明らかに普段と違う街の姿を目にしました。それは、つまり、
野郎どもの熱い目線、っていうの?
道を歩けば、男たちが、同行者を穴が開くほど見つめながら、ある者は胸に手を当てて何事かつぶやいたり、ジェスチャーをしたり身をよじったりしながら、同行者に話しかけたそうにしていました。それなら話しかければいいのに、どうも話しかけるほどの勇気は無い感じで、通り過ぎてから振り向いて小声でハロー・・・と言ってみたり、「遠巻きにモジモジ」しているばかり。
日本庭園などでは新郎新婦の関係者なのか10人くらいのウズベクの若い男がたむろしていましたが、10人の瞳が一斉に同行者に注がれて、なんだか一緒にいる私まで恥ずかしかったです。ウズベクの男は体格がごついし毛が多く、そんな10人くらいの野郎どもが一斉に見つめるのは、テキストで書くと怖そうですが、実際には全然怖い感じではなくて、顔を赤らめてモジモジと話しかけたそうにしているので、ちょっと滑稽でした。それにこちらの人はつぶらな瞳なので、ちょっと見つめただけで「ザ・凝視」みたいに、なるんだよねー。
私は男なので、普段タシケントの町でそういう経験は無いですが、これは、女子は大変だなぁと思いました。そういえば、同期の女性の隊員などはタクシーに乗るたびに運転手がしつこく個人情報を聞き出そうとしているので、めんどくさいやら怖いやら(運転手は女に夢中で運転どころじゃなくなる)、で大変なのでしょう。私がタクシーに乗ったって滅多に話しかけられることなんて、ありませんよ。
家庭第一主義とも言える普通のウズベク人は、親が許してくれないなどの理由で滅多なことで異民族と結婚しません。しかし、どっかへ出稼ぎに行ってそのまま第二の家庭を作っちゃったような話はけっこうよく聞くので、実は異民族の女が相当好きなんじゃないか、って思っています。テュルク系が広く広くシベリアあたりからトルコまで分布しているのはそういう訳もあるんじゃないだろうか。
後日、スーパーマーケットに行くと顔見知りのレジの青年(まだ二十歳くらいの子)が、「あの女性はもう帰っちゃったの?」と聞くので、「帰ったよ」と告げると、いかにも惜しいそうな顔をして、「いい女だよね!」などと言うので、「悪いけど、彼女は私と同級生だし、あなたのお母さんの世代ですからね?」と教えました。すると、わかってないなぁ、という顔をして「そういう問題じゃないんだよね」だそうです。そうかそうか。