木曜日はオシュがありました。
タシケントでは、お祝い事があるとピラフを炊いて盛大にお祝いをします。今回のお祝いは、勤務先の大学の先生のお嬢さんが結婚することになったお祝いです。学長はじめ大学の殆どの男性職員が参加していて、ざっと見ただけでも600人くらい招かれていて、壮観な景色でした。
結婚が決まると、結婚式があるのですが、それに先立って新婦の家がこの「ピラフパーティ」を主催します。招かれるのは男性だけです。
たいてい、朝7時に集まって、全員がそろったところでピラフが配られ、食べ始めます。あまり時間を気にしない人が多いけれど、このときは遅刻する人はいません。
会場についてもすぐに着席するわけじゃなくて、自分より目上の人をまず着席させてからという決まりがあるようで、まわりに目上の知り合いがいないかどうかかなり気にしている様子です。ウズベク人の空気読む気質はこういうところで培われるんでしょうね。
席順もわりと気になるものらしく、偉い人が座るテーブルにはやはり近いポジションの人が座ります。今回は学長がいたので、学長の席に誰が座るかでけっこうみなぴりぴりしているように見えました。
配膳は、特徴があって、ウエイターが手に持って運んでくるのではなく、厨房からテーブルまでずらっと若い男性(親族など)が並び、バケツリレー方式でピラフの大皿を運びます。今回のパーティは会場が広かったので、30人くらいの若手が並んでピラフをバケツリレーしました。
一度、この並んでリレーしてゆく配膳方式はなぜかと聞いたとき、若い者が良い行いをすることで徳をつむことができるから、と教えられました。徳を積むのは仏教的な考えだと思っていたけれど、イスラム教でもそのように考えるのでしょうかね。
ピラフの大皿はたいてい2人前盛られていて、隣どおし二人で分け合って食べます。これも分かち合いの精神に基づいてわざとそうなっているものと思います。
この国の男性はたいてい、このピラフ(オシュ)が大好きですが、店で食べるものより、結婚式のピラフが特に好き、と言う意見もあります。店で炊いたものに比べて、結婚式のピラフは、
薪で炊いている
炊きたて
食材や米が高級
という理由で、とくに美味しいそうです。店で食べるときにも、いつ何時に作ったものか、などをしつこく確認してからオーダーする人が多いので、ことピラフに関してはすっごく舌の肥えた人が多いように見受けられます。