ところで私は日本で、ウズベキスタンではロシア語離れが進んでいる、と話を聞いてきたので、人々がロシア語で話しかけてくることにストレスマックスだった頃に、「ロシア語離れなんか進んでないじゃん!」と怒っていたのを思い出します。その頃のブログのサブテーマもロシア語離れが進んでいるのか、っていう部分だったようにも記憶しています。
1年半住んでみて、実際にロシア語離れが進んでいるのか、と改めて考えてみると、私の思っていたようなものじゃなく、もっとシリアスな形でロシア語離れが進んでいるようです。
地方の人は、昔も今もロシア語なんかあまり得意じゃないそうで、私のウズベク語の先生もロシア語は話せない、と言っていました。(実際には少々話せましたけど)今の、地方から出てきた大学生たちは、本当に話せないみたいで、日本語学習者の生徒が、他のCISの国の日本語学習者と意思疎通をするのに、日本語を使うという例も聞きました。
タシケントの人の場合、Wikipediaによると6割がウズベク人で、その他4割が非ウズベク人(≒ロシア語話者)だそうです。実際には地方から出てきた学生が多いので、ウズベク語話者は6割以上になるでしょうが、逆にロシア語をメインで使うウズベク人も意外と多いので、6:4という数字に信憑性はあると思います。
タシケントの街だけ見ているとロシア語の利用者が減っているような感じは全然ありませんが、地方を含めるとロシア語を利用する機会はずっと減っているのだと思うし、ロシア語の教育水準の低下や、英語を重視する国の方針から言っても、根の深いロシア語離れは起きているのでしょう。
同僚のお子さんもウズベク人ながらロシア語学校で学ばせており、先日その同僚に話を聞いてみたところ、良いロシア語の先生が皆、独立を機に母国に帰ってしまったので、ロシア語の教育レベルが自分たちの頃と比べて低いことを嘆いていました。
また、去年あたりから国の方針で第二言語を英語にするということになったそうで、私の勤務する大学でも英語コースを新設したり、先生向けに英語のテストを実施したりしています。同僚は10年後にはウズベキスタンでロシア語は廃れるだろう、と言っていますが、たとえばタシケントで4割もロシア語話者がいるままロシア語の優先度を引き下げて英語の優先度を上げるということが可能なんだろうか、と心配になります。今後10年のこの国の変化をチェックしてゆきたいです。
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