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私はシャルリじゃない

フランスで雑誌編集者の襲撃事件があったとき、世界の首脳や有名人を含む人々が「私はシャルリ」っていうスローガンのもと共感を示した、と報道されたとき、私はちょっと嫌な不気味な感じがありました。
 
火器を使ってテロ行為を行うのはもちろん許されたことではないのだけれど、一方で表現の自由をかさに着て、他人のコミュニティの文化を挑発して、軽蔑していることも同じくらい許されないのではないかと思ったからです。イスラム過激派のテロ行為も、シャルリエブドの風刺も、等しく私にはまったく理解できない異文化です。
 
70年代生まれの私にとって外国っていえばアメリカで、昔はまだかっこよくて進んでるアメリカっていう刷り込みがいっぱいあったのか、私なんか最近までアメリカはかっこよくて進んでる国って思ってました。そのうち、アメリカの中にも西海岸と東海岸があるし、都市のアメリカもあれば砂漠のアメリカがあるし、南もあれば北もあり、真四角の州があるのだな・・とかいろいろ考えを改めて、ひとくちに米国っていってもその中にも色々別々の文化があると思いはじめて今に至ります。
 
マイケルムーア監督のドキュメンタリー映画をはじめて見て、やっぱりアメリカも不思議の国、自分にはまったく理解できないって改めて思いました。こんなにアメリカ文化に毒された私みたいな世代の日本人にも、こんなにも理解できないんだ!っていうのが驚きでした。
 
『Sicko』というタイトルの、アメリカに国民総保険が無いことを描いたドキュメンタリーですが、滅多に映画を見て泣かない私がおもわずツルツルと泣いてしまったので自分でも驚きです。
 
(以下、あらすじを思い出し書き)
 
アメリカには日本でいう国民健康保険制度が無いため、殆どの人は市販の保険商品を契約しますが、痩せすぎ、太りすぎ、既往症により契約できないなど、契約の敷居が高い。また、保険料の支払いの段階になって支払われないケースが多く、保険会社は保険料の支払いを損失と考える。そのため医療を受けられずに自分で治療したり、症状を我慢して生活する人が多い。
 
保険事業の改革をヒラリークリントンがやろうとしたとき、国民皆保険は「社会主義的だ」とする反対勢力があり、失敗した事例を紹介。諸外国ではどうかと、カナダ、英国、フランス等の保険制度の実情を調べに行きます。
 
911でボランティアとして働いた、救命士などの人々が重い後遺症に悩みつつ、医療を受けられずに生活に窮しているのを取材します。一方で、911テロで逮捕されたイスラム過激派たちは、収容されたグアンタナモ湾の収容所にて最高の医療を無料で受けられることを挙げ、病人たちを引きつれグアンタナモ湾に突入してゆきます。
 
(ここまで)
 
「国民保険制度で無料で出産できると聞いたとき、きっと出産後は麦畑で強制労働させられるものと思った」と、英国に住む米国人の主婦が証言しますが、そういう、発言のひとつひとつが私には衝撃的でした。アメリカでは、国民皆保険というのは社会主義的と批判された歴史があり、病院の待ち時間は長く、医師は薄給で長時間労働のため医療レベルは低く、国民は重い税金にあえぐ、という風に理解されているようです。
 
また、マイケルムーア監督が、おそらく無知なアメリカ人の代表としてカナダ人にヒアリングするとき、「(国保として)自分の納めた税金が誰か他人のために利用されてもいいんですか?」と聞きます。私は日本人で国民健康保険があるのが当然と思っているので、それが当然だと思っていることでも、それが無いと本当にわからないんだな。
 
夫婦で重い病気にかかり、破産して娘の家の物置に住むことになった主婦が、キューバで無料の医療が受けられると聞いたとき、おもわず涙を流してキューバの若い医師に抱きついてしまうシーンも、保険があり自己負担額という概念のある日本人にはまったく理解できないかもしれないけれど、保険が無いっていうのはこういうことなんだ、と何より理解できます。
 
911で人命救助をしたために気管支を損傷した救命士の女性は、120ドルの吸入気管支拡張剤(おそらく)がキューバでは5セントで買えることを知って、涙を流します。それは喜びではなくて無念の涙なのでしょう。私も同じ薬を使っていたことがあるのでこのシーンが一番焼きつきましたねー。
 
マイケルムーア監督の作風は良心と素直な探究心、あとは意外にも詩的だなと思いました。もっと他の作品も見てみたいと思っています。

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