ウズベキスタンに来て、いいなと思ったことは、譲り合いの精神があちこちで見られるところです。バスや地下鉄に老人や、子連れの女性が乗ってくれば、男性たちは必ず席を立って譲るし、荷物をたくさん持った人がおれば、荷物を空いているスペースに置く手伝いをしてあげたり、маршрутка(マルシュルートカ)と呼ばれるミニバスでは、後ろのほうの座席の乗客は、前の乗客に運賃を手渡し、リレー式に運転手に運賃を手渡す文化があります。朝の混んだバスでも、乗客同士がちょっと体をずらしたり、降りる客を通してあげたり、配慮があるので、あまり殺伐とするようなことがありません。
もうひとつ面白いと思うことは、タクシーが少ないこと。マークをつけた公的なタクシーはあることはあるのですが、あまり街中で見かけません。そのわけは、普通の人がタクシーを兼ねているから。道で手をあげて待っていると、なんでもない普通の車が止まってくれて、いくらかのお金で目的地まで乗せてくれます。これは、公的なタクシーより安い値段です。また、道で歩いていると、乗ってく?という意味でププ、とクラクションを鳴らされます。これもタクシーでない普通の車。白タクと呼ぶ人もいますが、私の印象では白タクという感じではなくて、助け合いみたいに見えます。別に法外な値段を請求するわけじゃないし、むしろタクシーより安いし、便利。
先日、語学実習を兼ねてタシケントのムスタカリクマイドン(独立広場)へゆき、戦没者記念碑を見てきました。第二次大戦で命を落とした数十万の若い兵士の戦没者名簿があります。ウズベキスタンと第二次大戦って、いまいちピンと来なかったのですが、当然、当時ここはソ連の一部で、ソ連兵として戦って亡くなったウイグル人のための記念碑でした。静粛な広場に、銅版に刻まれた無数の兵士の名前がありました。
広場には母の像と、絶やすことなく燃やし続ける火があります。温厚で大人しくて、音楽と踊りが好きなウズベク人が、戦争に行って戦ったという事実が伝わってきて、戦争というのは悲しいものだと思いました。タシケントへ観光に来られた際にはぜひ一度訪れて欲しい場所です。
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