20.11.2012
Молодое люди (タシケントの若者たち)
美しい顔をした若者が、私のデスクに尋ねてきて嬉しそうに日本語を話しはじめたから驚いた。彼はアジズ、本学の三年生で20歳、UJC(ウズベキスタン日本センター)で三年間日本語を勉強しているらしい。日本語はテニオハが妙に難しい言語だと思うけれど、彼は綺麗な発音で流暢に話した。「あなた」が「アンタ」になってしまうのだけはご愛嬌。
「タローさん、ぼくはいつかトーキョーに行きたいんです!」
いまどきのアジアにまだこういう若者がいるんだなとおどろいた。
なぜなら、その言葉、私にとっては懐かしいものだった。「いつか日本に行きたいなぁ!トーキョーってすごいんだろ?」20年前の中国でも、一日中日本のドラマの再放送が流れていて、若者は日本に行きたいなんて言っていた。中国だけではなく、他にもたくさんのアジアの若者が日本に行きたいなんて言っていた。
今はどうなんだろう?もう中国の都市部には無邪気に日本に行きたいなんて言っている若者はそんなに居ないんじゃないかな。日本というよりアメリカに学位を取りに行ったりするようになっているのでは。だって、中国の経済力を考えたら、日本なんていつでも遊びに行ける国なんだろうから。
それに、今の日本はどうなんだろう。20年前の日本はまだそんなに陰りのある国ではなかったと思う。でも今は、次の地震に怯える日本、原発の不祥事が人の心に黒い影を落としてしまった日本、老人ばかりになってしまった日本。平均寿命も高くなく、若者ばっかりのウズベキスタンとは好対照だ。
あの20年前の若者たちが日本に行けたのかどうか今となってはわからないけれど(ひとりだけ、ミャンマーで出会った若者はその後船乗りになって本当に日本へ行き、最近になってFacebookで写真を見せてくれた!)、彼にもいつかぜひ日本に行ってほしいと思う。そして、今の日本(もしくは将来の日本)を彼なりに好きになってくれればとても嬉しいと思った。
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