確かに私は職場で一番年齢が上なのだが、どうやら敬われているらしいということに最近気付いてしまった。
というのも、現場の仕事みたいなものは全部若い人たちがやってくれて、本来プロフェッション的には私がやったほうがいいようなことも、私が居ない間にすっかり済ましておいてくれていて、私は机にふんぞり返って座っていればいいみたいなシチュエーションになっている。
昨年あたりから新しいITルームを作るという話があって、私が企画段階から参加して図面を書いたり、機器の選定をしたりした。それきり忘れていたのだけれど、最近、部署が移動して空いた部屋に、ある日突然家具屋が現れて、木製のパソコンデスクのようなものをガンガンと組み立て、一方でPCや通信機材は入荷して山積みになり、おお、動き出している、と思ってみていた。家具が出来たら次はネットワーク/電源の設置なので私の得意な仕事か、と思いきや、私の知らない間に、週末や夜間時間帯などを使って、若いなんでもやる職員さんたちによってすっかり組み立てられていて、私の出番は特に無かった。
なんだい、おれは机に座っているだけでいいのかい
と若干寂しい気持ちにもなりました。プロセスに突っ込みどころはあれど結果的にはちゃんと出来ちゃっているので、この国の若いエンジニアたちが出来ないわけじゃないんです。むしろちゃんと自分たちで出来ているの。それは評価するけれど、それならなんで私が日本くんだりから呼ばれてるのか、って考え始めると心穏やかでは済みません。
しかもその部屋は将来的に「私の部屋」になってしまうらしく、私用の大きなデスクも着々と準備されつつあり、あのー、いいんでしょうか何もしてませんけど。
こちらに来る前は、できているものを改善するとか、できてないものをできるように教えるとか、そういう風に活動を想定していたのだし、他の国々のエンジニアJOCVにしてもそういう活動が多いものと思います。しかし現状はできているし、資金も機材も潤沢だし、そうなるとどうやって協力して差し上げたらいいのでしょうか、なんて思う今日この頃。しかし、この状況、別にウズベキスタンにおいてだけの状況ではない。
私ももうすぐ40という歳になって、はっきりいって会社員経験しかなくてゼロからイチを作り出すような特殊なスキルは無いし、20代ではじめて仕事でコンピューターというものに触った私などからすると、今の10代20代の人たちなんか、生まれたときからコンピューターに触ってるわけなので、正直言ってデジタルネイティブ世代には勝てないって思います、特にプログラミングなんかは。
今から日本に帰ってまたITのおしごとに戻ろうったって、もう現場の仕事なんか期待できないでしょう。40代だと管理職みたいな仕事がメインになって、現場では若い人たちがせっせと働いてくれて、っていう感じになるだろうし、管理職をする勤続年数長い40代なんてITの会社には幾らでもいるだろうし。だからもうITの会社に戻るつもりは無いです。40目前にしてまたもアイデンティティの危機なんだけれど好きでそっちを選んだものであまり文句はありません。
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