酒屋のふぁっ金クソババアの話
お呼ばれの前に酒屋に立ち寄った。お呼ばれのためにウォッカを買いたかったからだ。
レジには私と同じ年頃の、女というには老けた、中年というには若い女がいた。
私は無言でウォッカをレジにもっていって、女の背後にあるタバコをもらおうとした。
「赤いポールモールひとつ」
すると女が、
「赤いポールモールにはふたつあるのよ!1800の奴か1300の奴かどっちなのよ!!」
私はとっさに1800をロシア語でいえなくて、口ごもったら、
女は後ろのタバコストックから、ご丁寧に1300のポールモールと、1800のポールモールを取り出して、カウンターに叩きつけて言った。
「これとこれの!どっち!なのよ!!」と。
私は最近ちょっといらいらしていたので、あらんかぎりのファッキン言葉で女を罵倒してやろうかと思った。
「ファッキン欲求不満であんたファッキン可哀想かもしれないけど、これからファッキン金を払おうという人間に向かってそのファッキン態度は無いんじゃないの?ふぁっきん、欲求不満の、くそばばあ」
でも。悲しいことに私はロシア語のファッキンヴォキャブラリーもないし、罵倒できないなら冷静になるしかないので
「どうぞ、その、お高いほうの、ポールモールを、わたくしに、いただきとう、ございます(だいちぇ、むにぇ、ぱ、じゃーるすた、えたっ、だらごい、しがれーっ)」と言った。なるべくゆっくりと。
怒れば怒るほど冷静になれるような気がする昨今。
そういう出来事のあとで優しいタイ語の響きをきいてなおさら私の怒りに火がついてしまってこういうエントリを書いたりしている、よっぱらいついでに。
私はあらんかぎりのファッキン言葉を習うためにモスクワに行ったほうがいいかもしれない。
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