医局巡りについていった話の続き。
一箇所目はムキミ劇場裏手にある第五病院だった。やっぱり前回来てPCのインベントリ収集もしてある場所だ。ほかの二人が何をしに来ているか観察してみよう。
ふむ。
ふむふむ。
書類のやり取りとウズベク語の会話を聞いている限り、コビルさんはADSL回線を導入するための電話回線の番号と同意書みたいなものを、書いて持ってくるように頼んでいる。同意書の雛形を見せて、こういうフォーマットで、ここに電話番号を書いて、明日までに持ってきてくださいね、と。
ライロさんは、医局の正式名称と担当者の氏名、電話番号を聞いてメモしている。
そうか、その書類(同意書)を作ってもらうために三日間かけて15箇所をめぐらないといけないわけだね。ライロさんがメモしている情報は前回も同じものを別の人が作っている筈なので、要らないと思ったけれど。
ADSLの回線を導入するためには、日本だと電話とかE-mailで聞けばいいだけなので、わざわざタクシーをハイヤーして医局めぐりをしなければならないことではない。でも書類文化のウズベキスタンでは、きちんと文書にタイプして、判子を押したりしかるべき人がサインしたものを納めないと、先へ進めないことになっているようだ。そういう部分をもっとも電子化、オンライン化すべきだとも思える。
しかしながら、医局をわざわざ訪問して、偉い先生たちとか担当者と握手して、20分くらい世間話して、本題を切り出して書類を作ってもらって、お礼してまた握手して別れるっていうのも、たぶん商習慣のうちなのかも知れない。コネと人脈社会のこの国では、顔つなぐ、っていうことがビジネスの基本のようだから。そりゃ電話で済むのは彼らも重々わかってるけど、そうやって顔つないでおくことで、末永いリレーションが築かれるのかな。
それから、コビルさんは実はまだ24歳くらいなのだけれど、例の一連の「握手して、世間話して、本題を切り出して~握手して別れる」っていうある種の営業活動を、じつに堂々とこなす。24歳の日本の会社員なんてまだ見習いチックでしょう。でもウズベク人は、子供の頃からバーバル(口頭)コミュニケーションを鍛えているせいか、24歳でベテラン営業マンの風格がある。そういうところ、良いと思う。
そういうところはとても良いので、移動中にトイレ休憩をさせてくれなかったり、3時過ぎまでお昼を食べさせてくれなかったり、駅も何もないところで足の無い外人(私)を降ろしたり、というところも改善してくれるよう期待してる(しつこい)。
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