中央アジアの馬肉ソーセージказыタシケント、寒いです。
あまりにも寒いので精をつけようというのか、今日の昼食は同僚Iさんが「オシュ」を主張した。オシュセンターへゆき、満員の男達(※)の中でオシュを食べてきました。
オシュ(ロシア語ではプロフ)には、普通ウズラと鶏の各ゆで卵と、カズィ(казы)と呼ばれる馬肉ソーセージがトッピングされる。今日は、それらに加えて見慣れぬ白いソーセージが載っていた。チーズみたいに見える。でもチーズじゃない。熱いオシュの上でトロトロととろける様は、ラード。ちょっと食べてみたら、ラードの塩漬け? それは、馬肉は馬肉でも馬の脂の塩漬けソーセージだった。なんと濃厚な。ウズベク人のQ君などはパクッと食べているが、私は動物性脂にちょっと弱いので、軽くオシュの上で溶かして直接食べるのはやめておいた。
馬の脂に弱いそして、午後、ずっと胃のむかつきがあり、嘔吐まではいかないのだけれど、何度かえづいてしまう。同僚のIさんが気付いて、どうしたのかと聞いてきたので、ちょっと食べ過ぎてお腹が重いって言ってみたら、あぁさっき馬の脂食べたからね、ってすぐ気付いてくれた。ウズ人のチーフも、アレ(馬の脂)食べなくてよかったのに、と同情顔。どうも、共通認識でアレは重い食べ物ってことになってるみたいです。
普段は個人主義で、"人は人、自分は自分"のIさんなのですが、今回はすぐに私の異変に気づいて珍しく同情してくれたのは、ご自身もロシア人なのであまりベタなウズベク料理がお得意じゃないからだと思います。たとえばウズベク人の若者などだと、お祝い料理でご馳走のプロフで誰かが気持ちが悪くなるなどとは想像できないと思います。
ところで、トイレで談話しないでください馬の脂ですっかり気持ち悪いので、何度かトイレに行ったのだが、ウズベク人に言いたいことがある。トイレでたむろするのはやめて欲しい。大学のトイレはなぜか広々しているのだけれど、行くと必ず2~3人の男がたむろして世間話をしたり、タバコを吸ったり携帯で長電話していたりする。なにも、トイレでたむろしなくたっていいではないか。それともトイレでしか話せない話題があるのか。一体あなたがたは不良の高校生か。
えづいて洗面台で涙目でゲーゲーしたり、個室でベルトを緩めたりした。立ってるだけで目立つ外国人としてはそういう姿を見られたくないのだ。それなのに男達がトイレでなにやら談笑していると、苛っとする。
個室は個室じゃないそれに、ウズベキスタンのトイレの個室は完全な個室じゃなくて半個室ともいうべき、しゃがめば隠れるけど、立てば上半身がにょっこり出てしまうような構造になっていて、恐らくソ連時代から内緒話とかいかがわしいことができないようにそうなっているのだけれど、普通に個室の前に立てば中が覗けるようになっているので、用を足している際に外に談笑している人々がいるとナーバスな気分になってしまうのだ。
(※)なお、タシケントではオシュは男の食べるもの、といった位置づけのようで、結婚式の朝に男だけが招かれてオシュを食べるしきたりがあるし、レストランでもめったに女性の客を見ない。当然女性もオシュを食べるけれど、家で食べたり別室で食べたりしているようだ。