また映画をいろいろ見てました。
『俺たちニュースキャスター(The Anchorman)』
ヘンな邦題ですね。英語題はシンプルな「アンカーマン」なので、そのままのほうが良かったと思います。私は、いままでヘンな邦題の映画はなるべく避けるようにしていたのだけれど、例の「童貞男」がかなり面白かったので、最近は見るようになりました。
舞台は70年代のサンディエゴ。男性4名のニュースチームが主役です。当時の報道現場は男社会で、ダイバーシティ推進のため女性キャスターが配属されてきた。はじめは女性ということで軽視されていたが、新人キャスターは大変向上心のある人で、4名と敵対してしまう。というストーリー。基本的にコメディなのでゲラゲラ笑えますが、ストーリーがちゃんとしていて、愛や希望を失ってしんみりするシーンもあります。ジムキャリーとかティムロビンスがカメオで出てくるシーンは笑えるシーンとして有名みたいです。70年代ソウルの名曲が随所に使われていて良かった。時代背景から、女性軽視がネタとして出てきますので、そういうのに怒らない人向けの映画です。このプロットは続編では黒人の女性ボスに置き換わっています。
特典のオーディオコメンタリー(ディレクターのコメント?)がすごく変なので、DVDを買うか借りるとお得です。なんか、みんな怒ってるんですけど、こんなコメンタリーはじめてです。(もちろん、ネタだと思いますけど、特にネタばらしはされていません)
『俺たちニュースキャスター2(The Anchorman 2)』
10年越しで続編が作られたので、前作がかなり評判良かったということだと思います。たしかに、面白かったし、主演のウィルフェレルも有名になって、特にスティーブカレルはすっかりドル箱俳優ですね。それで、満を持して続編。カメオ出演が豪華でした。リーアムニーソン&息子さん(ヒストリーチャネルチーム)、英国人のサーシャバレンコーエン(BBCニュースチーム笑)、カナダ人のジムキャリー(カナダ放送局チーム笑)、カニエウエスト(MTVチーム笑笑)、ウィルスミス(ESPNスポーツニュース)、ハリソンフォード(引退する名アンカーマン)、クリステンダンスト(ヘンな神様役)。大笑いしました。敵役のジャックライムを演じるのはX-menシリーズでサイクロップスをやってる人で、はじめてサングラスなしの顔を見ました。「なんて高貴な男なんだ」と描写されるセリフがありますが、たしかにいい顔。Versaceのモデルだったそうですが、コメディの演技もうまかったです。こんなにいい顔なのにX-menシリーズでずっと顔隠してるの勿体無いとちょっと思いましたが、いい顔だからずっとサングラスしてても絵になるとも考えられる。
『エヴァン・オールマイティー』
『童貞男』『アンカーマン』シリーズで名演技をしていたスティーブカレルの主演作。ジムキャリー主演の『ブルースオールマイティ』からのスピンオフ作品です。いい映画でした。寓話的なコメディで、割と私が映画に求めるものと一致していました。聖書とノアの箱舟が重要な要素として出てきますから、キリスト教的な映画だと思いました。動物がすごくたくさん出てくるのですが、どこまで本物でどこからCGなのかよくわからなかった。スティーブカレルのリアクション芸が(いつもながら)神がかってました。
このところ、偶然スティーブカレルの出演する映画を立て続けに見たので、Sカレルの出世の歴史を確認したような感想です。『ブルースオルマイティ(2003)』でキャスターの役が評判になって、『アンカーマン1(2004)』でキャスター役を演じ、その童貞キャラが評判になって『童貞男(2005)』で大ブレイク、『エヴァンオールマイティ』『ゲットスマート』と出世していくんですね。特定の監督が彼を重点的に起用したというより、演技が評価されて、Sカレルの演技ありきで映画が製作されたように見えます。
最後にC&CミュージックファクトリーのEverybody(略)にあわせてキャストやスタッフ全員が踊るシーンがあります。最近の(ここ10年)のアメリカのコメディがすごく良いのは、きっと製作陣が私と同年代なので、使われる音楽が私にとって懐かしいど真ん中であるからかも知れません。90年代のヒットとか、70年代ソウルとか、最近見たアメリカのコメディ映画は音楽に関してはずれ無しでした。
私が知らなかっただけかも知れないのですが、アメリカ映画だと、コメディはコメディ俳優、シリアス映画はシリアス俳優って役割がけっこう分かれているようで、コメディ映画ばかり見ていると同じ女優、俳優がよく出てきます。まるでひとつの劇団がいろんな監督のいろんな映画で使いまわされてるようです。私が好きなのはダントツでジェーンリンチ(Jane Lynch)です。